DeFi(分散型金融)プロトコル「YO Protocol」を運営するYO Labsは12月3日、イールドボールト「yoGOLD」の事前預け入れ受付を開始したと発表した。
トークン化された金(ゴールド)を預けることで、従来の金投資では得られなかった利回りを獲得できるようになる。現在は事前入金キャンペーン期間中であり、資金の預け入れのみが可能となっている。
利回りの発生は今後開始される予定で、キャンペーン期間中は利回りの代わりにポイントが付与される仕組みだ。
今回の事前預入は金庫(Vault)の上限額1,000万ドルに達するまで受付可能であり、早期参加者に対しては期間限定でYOポイント3倍、Fusionポイント5倍のボーナスが提供される。
同社によると、トークン化ゴールド市場は拡大を続けており、10月初旬時点で時価総額は30億ドル(約4,500億円)を突破。24時間取引が可能で即時送金にも対応するなど、従来の金投資にはない利便性から投資家の関心が高まっている。
金価格自体も上昇基調が続いており、インフレヘッジや分散投資先としての需要が高まっている。
キャンペーン終了については、終了日の約1週間前に告知される。
yoGOLDは、Tether社が発行するゴールドトークン「XAUt」を原資産とする。XAUtは1トークンが1トロイオンス(約31.1グラム)の金に連動し、裏付けとなる金塊はスイスのカストディアン(保管機関)が管理している。
最大の特徴は、カウンターパーティリスク(取引相手の信用リスク)なしで利回りを獲得できる点。従来の金融商品では銀行や運用会社などの第三者を信頼する必要があったが、yoGOLDではすべての運用がブロックチェーン上で自動実行され、資産配分や利回りの内訳もアプリ上で確認できる。
開発・運営を行うYO Labs 共同創業者兼CEOのDriss Benamour氏は「かつて銀行だけが提供できた利回り商品を、DeFiならではのオープン性と透明性で誰もがアクセスできるようにした」とコメントしている。
現在は事前預け入れ段階で、利回りはまだ発生していない。正式ローンチ後、預け入れられたXAUtはレンディングプロトコル「Aave」に担保として供給され、借り入れたステーブルコインを複数のレンディングプロトコルで運用する「トークン化キャリートレード」戦略で利回りを生成する。なお、事前預け入れ期間中も資金はロックされず、いつでも引き出し可能だ。
今後は、XAUtを保有していないユーザーでもUSDTやUSDCから直接デポジットできる機能が追加される予定。
YO Protocol(YOは「Yield Optimizer=利回り最適化」の略)は、サンフランシスコ拠点のYO Labsが開発・運営する利回り最適化サービスだ。
運用先の選定には、同社が開発したDeFiリスク評価システム「Exponential.fi」を活用し、安全性の高いプロトコルを自動で選定している。yoGOLDは、DeFiインフラを提供する「IPOR Fusion」および「Clearstar」との提携により開発された。

