ビットコイン大台の10万ドル奪還、低迷していたイーサリアム高騰の背景は?
暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン( BTC )は前日比+4.12%の1BTC=102,640ドルに。
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背景には複数の好材料が挙げられる。
まず、ドナルド・トランプ米大統領が大規模な国際貿易協定を示唆したことで市場心理が改善した。米ニューヨーク・タイムズ紙の報道によると、この協定は英国との間で締結されるもので、9日(木)にホワイトハウスで正式発表される見通しだ。
また、トランプ政権の親仮想通貨姿勢を反映するかのように、米国の州レベルでも仮想通貨に対する好意的な法整備が急速に進んでいる。ニューハンプシャー州では先頃「ビットコイン準備金法案」が成立。これにより同州は公的資金の一部をビットコインで保有することが可能となった。
この動きはアリゾナ州やミズーリ州にも波及し、同様の仮想通貨支持法案が次々と可決・成立している。州政府レベルでの法的認知が進むことで、機関投資家にとってより参入しやすい環境が整いつつある。
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ビットコイン現物ETFへの資金流入が再び加速している。
SoSoValueの最新データによると、5月7日時点でのビットコインETF全体の純資産額は1,127億ドル(約17兆円)もの規模感に達し、直近1週間だけで約4億8,200万ドル(約730億円)の資金が純流入した。
5月7日には単日で1億4,231万ドル(約215億円)の資金が流入したほか、これに先立つ5月5日には4億2,545万ドル(約640億円)、5月1日には4億2,245万ドル(約640億円)の大口資金流入も記録されていた。
トランプ関税ショックからの相場反転に伴い、4月23日から5月7日までにかけての約2週間で、ビットコインETFには累計で約41億ドル(約6,200億円)もの新規資金が流入していた。
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イーサリアム(ETH)が前日比+20%と高騰。6週間ぶりに2,200ドルの水準まで上昇した。
オンチェーン分析会社Santimentは、イーサリアムの「ペクトラ(Pectra)」アップグレード後、SNSなどでネガティブな感情が急増したことを指摘した。
多くの個人投資家は期待外れの値動きに失望し、イーサリアムを売却してミームコインなどに資金をシフトしていたものと見られ、Santimentは市場心理に逆張りすることの重要性を主張している。
ETH価格は過去最高値から59%もの下落率を記録し、ETHウォレットの半数近く(6,550万アドレス)が含み損状態とみられるが、底打ち反転を示すシグナルも出始めている。
ビットコイン建てのイーサリアム比率「ETH/BTC」が歴史的な底値ゾーンに達した。CryptoQuantのデータによれば、この「MVRV比率」は2017年初頭や2019年初頭に続き、約4年周期で今回も底値を形成中だ。
機関投資家の動きも活発化している。ナンセンのアナリスト・ソンダーガード氏によると、仮想通貨マーケットメーカーのWintermuteが過去24時間で大量のETHを購入した。また、Abraxas Capitalも7,500万ドル相当のETHを取引所から引き出した。
これらスマートマネーの動きも相まって上昇の機運が強まった。
マクロ経済面では、トランプ大統領の関税政策をめぐる国際協調の進展やFRBの利下げによる不確実性の緩和が前提となるものの、ビットコインが新たな高値を更新し、技術基盤を強化した「ペクトラ」アップグレード後のイーサリアムへ機関投資家からの投資が継続すれば、アルトコイン市場全体にポジティブな波及効果をもたらす可能性が高い。
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