米下院歳入委員会は17日、仮想通貨の税務ルールを定める「デジタル資産税制明確化法」を38対5で可決し、本会議に送付した。米政治専門メディアのポリティコなど複数の米メディアが伝えた。
法案は、1件の取引にかかる仮想通貨の手数料が10ドル以下の場合に生じる利益・損失を非課税とする(他者に代わって取引を行う業者は対象外)。適用は2027年12月31日を超えた後、2028年からとなる。
マイニングとステーキングによる報酬は通常所得として課税され、財務省には成立後12カ月以内の自主開示制度の創設を義務付けている。
同委員会の採決は、上院のクラリティー法案が16日の手続き採決で否決された翌日に行われた。上院民主党は、トランプ大統領の仮想通貨関連事業が数億ドル規模に拡大している点を踏まえ、倫理規定の懸念が解消されていないとして反対した。
採決で反対票を投じた民主党のロイド・ドゲット下院議員は、法案が仮想通貨業界への大規模な税制優遇となり、トランプ大統領の一族を含む富裕層に恩恵を与えると批判した。反対票は民主党の5議員にとどまり、共和党議員は全員が賛成に回った。
一方で、法案作成に協力した民主党のスティーブン・ホースフォード議員は、マイニングとステーキング報酬をめぐる課税タイミングの論点が今回も未解決のまま残ったと指摘した。仮想通貨関連のシンクタンク、コインセンター政策部長のジェイソン・ソメンサット氏は、新たに生成された報酬を所得とみなす米内国歳入庁(IRS)の判断を法案が事実上支持しかねないとの見方を示したという。
仮想通貨関連の税制論議は、次いで上院財政委員会での検討に移るとみられる。同法案自体の審議は、11月の中間選挙後の休会を経て、レームダック期間に持ち越される予定だ。


