米上院共和党が13日に公表したクラリティー法案の最終案を巡り、銀行業界団体がほぼ一斉に連名で書簡を提出し、条文が懸念に十分応えていないと訴えた。ホワイトハウス記者のエレノア・ミューラー氏が明らかにした。
最終案(改正案)は、決済用ステーブルコインへの資金移動を受け地域銀行に相当規模の預金流出が生じた場合、各州の財務長官が報酬支払いを制限できる緊急停止措置(サーキットブレーカー)を新設した。この権限は施行から18カ月で失効する時限的な内容だ。
これに対し銀行側は書簡で、この措置では預金流出への備えが不十分だと主張し、「相当規模の預金流出が既に起きた後にしか発動しない緊急停止措置は、そもそもセーフガードではない」と指摘している。
もう一つの焦点であるトランプ大統領の利益相反を巡っては、州司法長官が大統領を含む公職者の規定違反を執行できる文言が加わった。ホワイトハウスの仮想通貨政策責任者であるパトリック・ウィット氏によると、大統領はこの倫理条項を「承認」したという。
ただし、上院銀行委員会の民主党議員や仮想通貨反対派のエリザベス・ウォレン議員は、州司法長官が大統領を含む公職者を訴追できない点を問題視している。ウィット氏は、これほど強力な倫理規定に反対票を投じる民主党でありたくはないと反論した。
一方で、顧客資金を扱わない仮想通貨関連開発者を保護するブロックチェーン規制確実性法の条項からは、連邦刑事法に基づく訴追からの保護が削除された。仮想通貨政策団体コインセンターのジェイソン・ソメンサット氏は、規制上の保護が明文化された点は有益としつつ、刑事法上の保護が欠けたことに失望を示した。
記者のエレノア・テレット氏によれば、「失望」は業界に共通する反応だが、大半は法案全体を頓挫させるほどの問題ではないとみているという。
また、The Blockなどの報道によると、ウィット氏は最新案を「最善かつ最終の提案」と評価し、初回採決に「非常に良い感触」を持っていると語った。60票を獲得できるかは政策ではなく政治的な判断になるとしつつ、超党派の支持に値する法案だと強調した。
上院は日本時間16日午前、法案の前進に60票が必要となる手続き上の採決を行う予定だ。


