仮想通貨市場構造を定める「クラリティー法案」に対し、ニューヨーク州司法長官のレティシア・ジェームズ氏は14日、反対を呼びかける書簡を18州・地域の司法長官連名で米上院に送付したと発表した。書簡は上院銀行委員会のティム・スコット氏(委員長)とエリザベス・ウォレン氏(筆頭理事)宛てに送られ、法案が詐欺被害者保護のための州の権限を弱体化させると警告した。
書簡はまた、SECに州の登録認可制度を上書きする裁量を与える条項が、証券規制の枠組み全体を揺るがしかねないと指摘。ジェームズ氏は声明で、法案が詐欺師を勢いづかせ司法長官の投資家保護権限を奪いかねないと語った。
米上院は15日(日本時間16日午前)、クラリティー法案の審議入りの可否を問うクローチャー(討論終結)投票を予定している。
司法長官らは書簡の中で、仮想通貨詐欺被害の増加を法案反対の根拠に挙げた。米連邦捜査局(FBI)によると、2025年の仮想通貨関連詐欺被害額は114億ドルに達し、2024年比で22%増加した。
米連邦取引委員会(FTC)も同年の関連被害額を17.8億ドルと発表し、前年から25.6%増加したとしている。ニューヨーク州司法長官室(OAG)への詐欺関連の苦情件数は過去3年で3倍に増え、過去5年間の被害総額は5億ドル近くに上るという。
書簡で司法長官らは、トークン化の有無を問わず証券に対する州の執行権限を維持し、連邦政府と州の協力体制を存続させる内容の法整備を求めた。
なお、ジェームズ氏はステーブルコイン大手テザーへの初の法的措置や、仮想通貨企業ギャラクシー・デジタルとの2億ドルの和解合意など、仮想通貨関連の摘発を主導してきた。
クラリティー法案をめぐっては、全米インディアン・ゲーミング協会のデービッド・ビーン氏(議長)が11日、改定法案は部族側の懸念に十分応えていないと述べた。改定版はDeFi(分散型金融)規定の適用範囲を現物取引および現金決済のデジタルコモディティ取引に限定し、ブロックチェーン基盤の予測市場をこの適用除外の対象から外した。
ビーン氏は、カルシやポリマーケットなど予測市場プラットフォームが先住部族・州のギャンブル規制を受けないまま事業を続けられる懸念は残ると指摘した。改定版はまた、実質的な管理者が存在するにもかかわらず「分散型」を名乗るプロトコルにCFTCへの登録と資金洗浄対策規制の順守を義務付けており、ビーン氏はこれを2010年のドッド・フランク法以来最大規模のCFTC権限拡大だと語った。
ビーン氏はこうした状況について、CFTCが先住部族や州の法律に反してギャンブル的取引を容認していると非難した。


