ロシア政府は、中央銀行の認可なしに暗号資産(仮想通貨)を流通させることを犯罪とする法案を国家院に提出した。ロシアのメディアRBKなどが13日に報じた。
刑法に仮想通貨を流通させる違法組織に関する新たな条項(第171条の7)を追加するものであり、この法案が承認されれば2027年7月1日より施行される見込みだ。
ロシアで営業許可なく、組織的に仮想通貨を売買する取引所や個人を対象とする。
軽微な違反の場合は、罰金10万~30万ルーブル(約20万~60万円)、最長4年の強制労働などが科せられる。
最高刑は懲役7年と100万ルーブル(約200万円)以下の罰金、または5年以下の強制労働となる。これは、特に350万ルーブル(約730万円)以上の大規模な損害が発生した場合に適用されるものだ。
この法案が成立すれば、ロシア政府は、国内のグレーゾーンにある仮想通貨取引所へのアクセスを実質的に排除することになる。同国の仮想通貨トレーダーに対し、認可を受けたアプリを通じての売買を行うことを義務付ける。
ロシア政府は、こうした変更により仮想通貨市場の透明性を確保し、金融犯罪のリスクを軽減することが狙いだと説明した。
ロシア政府は4月、同国の機関が管理していない国外の仮想通貨ウォレットについて、ロシア居住者が税務当局に届け出ることを義務付ける法案も国家院に提出していた。
現在、ロシアの個人や企業が保有する国外の仮想通貨ウォレットは通貨関連法の対象外となっている。新法案は、仮想通貨ウォレットについても外国で保有する銀行口座と同様の制度を確立することで、グレーゾーンを解消することを目指す。
具体的には、ロシア居住者は、国外仮想通貨ウォレットの開設または閉鎖を行った日から1か月以内に税務局に届け出なければならない。
また、これらのアドレスを通じて行われた仮想通貨取引について、税務当局に報告書を提出する必要も生じる。政府は中央銀行と協議の上、手続きを決定する予定だ。
オンチェーン分析企業チェイナリシスが昨年発表したレポートによると、ロシアの2024年7月から2025年6月までの仮想通貨受取額は3,760億ドル(約60兆円)に達し、英国を抜いて欧州最大の仮想通貨市場となった。
特に、同国に対する経済制裁下、ルーブルに裏付けられたステーブルコイン「A7A5」の普及が拡大している。A7A5は、特にアジア、中東の貿易相手国との国際決済に利用されている。


