大手暗号資産(仮想通貨)取引所のバイナンスとビットゲットは18日、「RaveDAO」のガバナンストークンRAVEをめぐり市場操作の可能性が浮上したことを受け、同トークンの取引活動について調査を開始すると発表した。
この背景には、オンチェーン調査員のZachXBT氏の告発がある。同氏はインサイダーがRAVEのポンプ・アンド・ダンプ行為に関与していた可能性を指摘し、バイナンス、ビットゲット、ゲートに調査を要請。さらに、同氏は当初1万ドルの報奨金を提示し、その後コミュニティ支援を受けて2万5,000ドルに増額した。
RaveDAOはバイナンスとビットゲットが公式に調査開始を発表した直後に関与を否定する声明を公表。その後、ゲートも調査開始を発表した。
RaveDAOは2023年にローンチしたWeb3エンターテインメントプロジェクトで、電子音楽イベントを軸にオンチェーンチケット販売やコミュニティガバナンスを展開。ドバイ、シンガポールなどでリアルイベントの開催実績があり、バイナンス、OKX、ビットゲット、ポリゴンと提携している。
一方、 RAVEトークンは、総供給量10億トークンのうち、実際に流通しているのは約2億4,800万トークン(24.8%)にとどまる。市場関係者の間では、こうした供給構造について、価格変動を増幅させやすく、少数の保有者が大きな影響力を持つ可能性があるとの指摘も出ている。
市場操作疑惑は、今月に入りRAVEトークンが約10,000%急騰して史上最高値(27.88ドル)を更新した直後に急反落し、大量のレバレッジ清算が発生したことを受けて浮上した。
4月1日時点で約0.25ドル前後だったRAVEの価格は、18日には27.88ドルまで急騰し、月間上昇率約10,000%・週間1,200%以上・24時間で約50%上昇を記録した。時価総額は約66億ドルに達し、一時はCoinGeckoランキングでトップ20にランクインした。
しかし、その勢いは長くは続かず、RAVEはピーク直後から急反落し、執筆時点では最高値から約98%下落した水準で推移している。
急騰時には約3,000万ドル規模のレバレッジ清算が発生し、1万6,000人近くのトレーダーが影響を受けた。単一最大清算額は約16万ドル超。一方、急落局面でも数千万ドルの清算が連鎖し、投資家に巨額の損失をもたらした。
エンジェル投資家のJeremy氏は、RaveDAOチームが管理していると見られる3つのGnosis Safeウォレットが、それぞれRAVEトークン総供給量の75.2%、9.87%、4.67%を保有していると指摘。さらに上位10ウォレットに範囲を広げると、実に98%のトークンが集中して保有されてていると付け加えた。
4月13日のX投稿で、Jeremy氏はRAVEトークンの急騰の数時間前に発生した異常なトークンの動きを報告している。
バイナンスなどの取引所に調査を要請したZachXBT氏は、「RAVEの90%以上を保有するインサイダーによる露骨な市場操作によって、個人投資家からさらに利益を搾取されることを許すわけにはいかない」と強調した。
RaveDAOチームは18日、Xで6つの投稿から成るスレッドを公開し、価格操作疑惑を全面的に否定した。
なお、透明性の重視を謳いつつも、RaveDAOは供給集中や価格高騰前に取引所へ送金された数百万ドルといった具体的なオンチェーン上の疑惑については言及しなかった。一方で、ロック解除されたトークンの一部を「適切な時期に」精算予定であり、その一部は運営資金や人材の採用、マーケティングや慈善活動に充てられると説明した。
また、コミュニティの連携強化のため、RaveDAOは、「チームのインセンティブをエコシステムの成長に連動させる、価格連動型またはパフォーマンス連動型のロックなど、適切なモデルを検討している」と述べたが、具体的な仕組みや時期については明言を避けている。


