ブータン王国は過去1週間で、暗号資産(仮想通貨)ウォレットから2,240万ドル(約35億円)相当のビットコイン( BTC )を送金しており売却中の可能性がある。ブロックチェーン分析企業アーカムが5日に報告した。
以前から、ブータンは定期的に数千万ドル規模でビットコインを売却してきた。特に2025年9月中旬から下旬にかけて売却が集中。当時は、ビットコイン価格の上昇にともなう売却を行なっている可能性があると指摘されていたところだ。
今回は、前回とは異なり、下落局面での動きとなる。アーカムによると、5日前に実行された送金の一つは、マーケットメーカーQCP Capitalのアドレスに直接送金された。
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ブータンは仮想通貨を積極的に採用している国の一つだ。2019年からビットコインのマイニングを行っており、アーカムによると7億6,500万ドル(約1,200億円)以上の利益を上げている。
ブータンは2024年の半減期以前にビットコインの大部分をマイニングし、その後は1ビットコインのマイニングコストが約2倍になったために、採掘量は大幅に減少した。
アーカムは、ブータンで最もマイニングが活発だったのは2023年で、約8,200BTCを採掘していたと指摘。ビットコイン保有量がピークに達した時点では、13,000BTC以上を保有していたと続けている。
ブータンは豊富な水力発電資源を利用してビットコインのマイニングを行ってきた。ブータンの政府系投資ファンドDruk Holding & Investments(DHI)がマイニング事業を運営する格好だ。
2020年以降マイニング事業を拡大した背景には、若者の失業率上昇、人口流出、当時のコロナのパンデミックによる観光収入減少など経済的な問題が指摘されている。
「Bitcoin Treasuries」のデータによれば、本記事執筆時点のブータンのビットコイン保有量は5,700BTC(時価646億円)だ。ビットコイン保有国ランキングでは7位に位置している。
なお、1位は米国で約33万BTC、2位は中国で約19万BTC、3位は英国で約6万BTCだ。これらの国は、主に犯罪資金の押収によりビットコインを得ている。マイニング事業などにより積極的にビットコインを入手するブータンは異色である。
他に、エルサルバドルがビットコインの積極的な蓄積を続けているが、国際通貨基金(IMF)は同国への融資について、ビットコイン購入の制限などを条件として提示しており、昨年末時点でエルサルバドルと協議していると伝えられている。
ブータンは、ビットコインマイニングの他、イーサリアム( ETH )のステーキングも行っているところだ。昨年11月時点で、機関投資家ステーキングプロバイダー「Figment」を通じて320 ETH(時価1億円相当)をステーキングしたことが確認されている。
国家規模のID管理システムをイーサリアムのブロックチェーンで検証可能ともしている。また、ブータンの経済的な発展や雇用創出、回復力の強化を後押しすることを目的として、特別行政区にビットコインを拠出することも決定した。
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