*本レポートは、X-Bankクリプトアナリストである仮想NISHI( @Nishi8maru )氏が、CoinPostに寄稿した記事です。
ビットコイン( BTC )は29日、約50万円幅で乱高下する展開となった。FOMCにおけ金利据え置きなどを受け、S&P500が史上初めて7,000を上回り、ゴールドも史上初の5,400ドルに到達するなど、主要資産がそろって上昇したことが追い風となり、ビットコインも一時9万ドルを突破して大きく上昇した。
しかし、その後のFOMCでは、トランプ米大統領が指名して就任したミラン理事と、次期議長候補とされるウォラー理事が0.25%の利下げを求め、反対票を投じたことが伝わった。FRB内の意見の隔たりが改めて浮き彫りとなり、米金融政策の先行き不透明感が意識されたことでリスク回避の動きが強まり、ビットコインと米株式指数は反落に転じた。
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主要アセットクラスとの観測期間2カ月の相関を見ると、S&P500との相関は+0.09と極めて低い。一方、ゴールドとは-0.40と逆相関の関係が確認される。リスク資産である米株式指数と、安全資産であるゴールドの双方が史上最高値を更新する局面においても、ビットコインは軟調な推移が続いている。
オプション市場では、PCR(プット・コール・レシオ)が上昇しており(下画像黄枠)、市場参加者の弱気姿勢が強まりつつあることが示唆される。依然として10万ドルが最大建玉となっているものの、9万ドル以下のプットポジションが大幅に増加している。
さらに成行注文の状況を見ても、現物市場ではビットコインが断続的に売られる局面が目立ち、需給の実態としても強さを欠く状況がうかがえる(下画像赤枠)。
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例年、1〜3月期は、市場構造を変えるような強材料が乏しい場合、納税に伴う売りが発生しやすく、相場が弱含みになりやすい傾向がある。加えて、足元では株価上昇に対してビットコインが追随できていない。
背景としては、「10/11ショック」(Binance市場におけるフラッシュクラッシュ)や、Blancerの流出事故(アルゴリズム型ステーブルコインのデペグ)といった事象が挙げられる。
市場は、これらの影響で資産を毀損した暗号資産関連の機関投資家が存在すると推定しており、その実態が決算発表を通じて明るみに出る可能性を、2〜3月のリスク要因として警戒していると考えられる。ビットコインは、悪化した内部環境により、株価やゴールドの上昇に追いつけない状況にある。
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