投資調査会社ファンドストラットは17日、顧客向けレポートで2026年の暗号資産(仮想通貨)市場の見通しを発表。来年前半に仮想通貨市場が大幅に下落すると予想した。Wu Blockchainが報じた。
ファンドストラットのデジタル資産戦略責任者を務めるショーン・ファレル氏は、ビットコイン( BTC )の価格目標を6万ドルから6万5,000ドル、イーサリアム( ETH )の価格目標を1,800ドルから2,000ドル、ソラナ( SOL )の価格目標を50ドルから75ドルに設定している。
ショーン氏は、来年前半のこうした価格水準は、年末にかけての魅力的な投資機会になるだろうと続けた。また、もし今回の予想が間違っていたとしても、個人的には守りの姿勢を維持し、市場に強さが戻るのを確認できるまで待つことを好むとしている。
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こうした見解は、ファンドストラットの共同創業者でマネージングパートナーなども務めるトム・リー氏とは異なるものだ。
トム・リー氏は、イーサリアム・トレジャリー企業「ビットマイン・イマージョン・テクノロジーズ」を率いており、仮想通貨、特にイーサリアムに強気な姿勢で知られている。
リー氏は今月初旬に仮想通貨カンファレンス「バイナンス・ブロックチェーン・ウィーク」で登壇し、イーサリアムが今後数か月で6万2,000ドルまで急騰する可能性があると予測して業界に議論を巻き起こした。
リー氏は、イーサリアムは現実資産(RWA)トークン化によって推進される変革の中心に位置していると述べた。
今年は、米ドルに加えて株式、債券、不動産もトークン化され始めたと指摘。今後は米国ウォール街の金融業界も、スマートコントラクト・プラットフォーム上に商品を開発していくだろうと予想している。
リー氏は、イーサリアムの現在の水準である3,000ドルは、著しく過小評価されたものだとも意見した。イーサリアムのビットコインに対する価格比率が過去8年間の平均に戻れば、12,000ドルになると続けた。
また、イーサリアムがビットコインに対して0.25倍になった場合は、62,000ドルになるとしている。リー氏は、ビットコインについても数か月以内に25万ドルに達するだろうとの強気予想を披露した。
リー氏は11日の報道でイーサリアムは底打ちしたとの見方を示した。ビットマイン・イマージョン・テクノロジーズは今月に入ってからもイーサリアムの買い増しを続けている。
一方で、業界では2026年は調整の年になる可能性を指摘する意見も上がっている。
米資産運用大手フィデリティのグローバルマクロ責任者ジュリアン・ティマー氏は、長期的な強気姿勢を維持しながらも、過去の価格サイクルを参照すると、2026年にビットコインのサポートラインが6.5万ドルから7.5万ドルになる可能性があるとの見解を示した。
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