金融庁が暗号資産(仮想通貨)を「金融商品取引法(以下、金商法)の対象」として扱う方針を固めたと報じられている。
16日付けの朝日新聞(金融庁担当 堀篭俊材記者ら)によれば、国内の暗号資産交換業者が取り扱う105銘柄に対し、情報開示義務やインサイダー取引規制を適用する方向だという。 金商法の改正案は、2026年通常国会での提出を目指すとされている。
JVCEA(日本暗号資産取引業協会)の最新データでは、国内の第一種会員が取り扱う暗号資産は119銘柄となっている。今回示された「105銘柄」という数字は、その中から金融庁が規制対象として優先的に位置づける銘柄数を示したものと考えられる。
本報道によると、金商法の適用に伴い、取扱銘柄に対して以下の措置が検討されている。
暗号資産を金融商品として扱うことで、税制面でも株式と同様の分離課税(20%)の適用が検討されているという。 現状、暗号資産の利益は雑所得として総合課税(最大55%)の対象であり、税負担の高さが個人投資家の懸念点となっていた。
今回報じられた規制項目は、今年7月以降の金融審議会(金融庁の作業部会)で繰り返し議論されてきた内容と重なるもので、CoinPostでもこれらの論点を継続的に取り上げてきた。
税制については、12月に予定されている与党税制調査会で本格的に審議が行われる見通しで、金商法改正の方向性と並行して制度設計が検討される。また、同じく12月には金融審議会が暗号資産制度に関する報告書を取りまとめる予定で、その内容が今後の立法作業の基礎となる。これらのプロセスを経て、金商法の改正案は2026年の通常国会への提出を目指す。
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