株式会社メタプラネットは13日、2025年12月期第3四半期決算を発表した。
同社のビットコイン保有量は9月末時点で30,823BTCに到達し、2025年度の目標である3万BTCを前倒しで達成。ビットコインインカム事業は過去最高の売上高を記録した。
同事業では、現金を担保にビットコインのオプション契約を組成・売却し、プレミアム収益を得る。ビットコインを保有したまま安定収益を確保できる仕組み。
2025年に入り、同社は積極的な資金調達を実施。調達した資金をビットコイン購入に充てた結果、第3四半期だけで約1.7万BTC以上を追加取得した。年初来のBTCイールド(1株当たりBTC保有量の成長率)は496.4%に達している。
第3四半期末(9月30日)時点では、ビットコイン価格の下落により一時的に評価損が発生していた。しかし、10月以降はビットコイン価格が大きく回復。決算ではビットコイン価格の上昇と保有量の増加により206億円の評価益を計上し、純利益は135億円となった。
1株当たりのBTC保有量は約0.021BTCとなり、2024年12月末(約0.004BTC)から約6倍に増加。これは株主がより多くのビットコインに間接的に投資できることを意味する。同社の株主数は11月時点で21万人超に達し、日本の人口の約0.2%に相当する規模となった。
同社の株価は8月以降調整局面にあり、11月時点のmNAV(企業価値をBTC純資産価値で割った倍率)は0.88と、基準の1を下回っている。この状態では新株発行による資金調達が不利になるため、同社は戦略を転換した。
10月1日に発表したPHASE II計画では、普通株を増やさずにビットコイン蓄積を継続するため、優先株式を活用する方針を示した。発行準備は整っており、配当原資は急成長するインカム事業の収益で賄う。これにより、普通株主の持分を希薄化させずにビットコイン取得を継続できる。
これにより、普通株主の持分を希薄化させずにビットコイン取得を継続できる。
また、10月31日には保有ビットコインを担保に1億ドル(約154億円)を借り入れた。借入額は保有額(約5,400億円相当)の約3%に過ぎず、価格下落時も十分な担保余力があるという。
調達資金はビットコインの追加取得、インカム事業の拡大、自社株買いに充てられる。同社は2027年末までに21万BTCを取得する長期目標を掲げている。
なお、同社は日本取引所グループ(JPX)がビットコイン・トレジャリー企業を含む暗号資産保有企業に対して、コーポレートガバナンスの強化などの規制強化を検討している可能性があるとの一部報道についてもコメントを発表した。
同社は「現時点で、関係当局より規制措置や調査等を受けている事実はない」「透明性や信頼性を高める上で必要な動き」との認識を示した。
今後もコーポレート・ガバナンスと透明性の強化を最優先に事業を進めるとしている。