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ビットコイン105,500ドルに反発、トランプ給付金案と政府機能回復への期待高まる

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暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン( BTC )は前日比+2.99%の1BTC=105,500ドルに。

心理的節目の10万ドルを一時割り込むも、週明けにかけて反発した。上昇要因としては、複数の背景が挙げられる。

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ドナルド・トランプ大統領が国民一人当たり2,000ドル(約30万円)の「関税配当」給付を提案したことで、2020年の景気刺激策時と同様の大規模な流動性流入への期待が暗号資産市場で高まっている。

大統領は公式SNSで、記録的な関税収入を背景にこの政策を発表し、高所得者を除く全国民への給付を約束した。市場関係者は即座にこの動きを2020年から2021年の景気刺激策と比較し、当時の相場展開の再来を予想する声が広がっている。

2020年3月、コロナ・ショックで金融市場が大暴落する中、ビットコインは約3,000ドルの大底を記録した。その後、複数回にわたる給付金支給と量的緩和政策により市場に大量の流動性が供給され、ビットコインは半減期後の供給減少も追い風に翌年には6万9,000ドルまで急騰した。この上昇局面では、給付金を受け取った個人投資家が株式市場と暗号資産市場に資金を投入し、特にアルトコインで顕著な価格上昇が見られた。

2020年当時と比べて仮想通貨への認知度が大幅に高まっている現在、特に若年層の間でデジタル資産が有力な投資先として定着しつつある。このため、新たな給付金が実施されれば当時以上の規模で暗号資産市場へ流入する可能性があるとの見方が市場関係者の間で強まっている。

同時に、史上最長となった米国政府閉鎖の終息が近づいていると報じられたことも市場の楽観ムードを後押しした。政府閉鎖の終息は、財政の不確実性が解消されることを意味し、株や仮想通貨などのリスク資産全般にとってポジティブな材料だ。昨日再開となれば、承認プロセスの停滞していたアルトコイン現物ETFの承認も前進する可能性がある。

上院民主党が超党派の支出法案推進に前向きな姿勢を示しており、早ければ今夜にも採決が行われる可能性が報じられている。新たな決議案は1月30日まで政府に資金を提供し、数日以内に業務再開への道筋をつけるとされる。

トレーダーたちは2019年初頭の政府閉鎖終了後の展開に注目している。当時、政府が活動を再開した直後からビットコインは5か月連続で上昇し、300%以上の高騰を記録した。アナリストのアッシュ・クリプト氏は「歴史が繰り返される可能性がある」と指摘する。

ただし、当時の上昇は政府再開そのものよりも、仮想通貨の冬(Crypto Winter)からの回復や流動性改善といったより広範な要因が主因だったとの見方もある。

市場全体が総悲観に近い状況にある中、一部のオンチェーンデータは相場反転の可能性を示唆している。

CryptoQuantによると、取引所のステーブルコイン準備金は過去1か月で約90億ドル急増しており、2025年で最大の増加幅となった。この流入の3分の2以上が最大手取引所のバイナンスに集中している。歴史的に、ステーブルコイン残高の急増は大規模な上昇相場に先行する傾向があり、トレーダーや機関投資家が蓄積段階に備えて購買力を確保している兆候と見られている。

注目すべきは、この流動性増加が過去6日間で13億ドル超にのぼる新規参入者の損失計上という投げ売り局面と同時進行している点だ。一方のグループが損失で退場する中、別のグループが流動性を準備して押し目買いの機会を待つという構図が形成されている。アナリストは、このような相反する動きの同時発生は市場が局所的な底値を形成する典型的なパターンだと指摘している。

政府閉鎖の終息と大規模給付の可能性という二つのマクロ経済材料により、市場では「景気刺激策2.0」による強気相場再来への期待が広がっている。

ただし、OI(未決済建玉)の急増とファンディングレート(資金調達率)の上昇は、デリバティブ市場の過熱感やボラティリティ(価格変動性)の上昇リスクも示している。米株式市場がトレンド転換し、ビットコインが10万ドルの心理的節目を再び下抜ければ、ロスカット(強制清算)の連鎖が発生し、相場低迷が長期化するリスクも残されている。

米最大手取引所のコインベースは、10月10日に発生した大規模清算(トランプ関税ショック)は、サイクルの終焉を意味するものではなく、必要なリセットだった可能性があると指摘した。

直近の市場データによると、過剰なレバレッジポジションは一掃されたものの、市場のファンダメンタルズは損なわれておらず、機関投資家が慎重ながらも再び資金を投入し始めている兆候が見られる、との見立てを示した。

チャートが示すように、2024年1月から2025年10月にかけての清算規模の推移を見ると、10月には特に大きなロングポジションの清算が発生した。しかし、この清算によって市場から過度なレバレッジが排除されたことで、より健全な価格形成の基盤が整いつつある。複数の取引所からのデータを集計した週次清算額は、短期的な痛みを伴いながらも市場構造の改善に寄与したと分析されている。

注目すべきは、現在の資金の動きが全面的な市場撤退ではなく、選択的なリスク再取り込みの様相を呈している点だ。EVMチェーン、RWA(現実資産のトークン化)、利回りプロトコルといった特定のセクターに資金が集中しており、新規資金の大量流入というよりは既存資本のローテーションが主流となっている。

高値圏でのハイレバレッジポジションは大幅に削減されクリーンな状態になったが、流動性のギャップは依然として残されている。マクロ経済面でのリスクは完全には払拭されていないものの、構造的な需要は着実に構築されつつあると言えそうだ。

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