ビットコインL2「Arkade」ベータ版公開、BTC上のステーブルコインや貸借の基盤に
Ark Labsは20日、暗号資産(仮想通貨)ビットコイン( BTC )のレイヤー2プロジェクト「Arkade」の公式ベータ版をリリースした。ビットコインがグローバルでオープンな金融プラットフォームへと進化するための第一歩だとしている。
Arkadeは、プログラム可能なオフチェーン・トランザクションを可能にするものだ。ステーブルコインなどのトークンをオフチェーン実行レイヤーに取り込むために設計されたマルチアセットフレームワーク「Arkade Assets」も提供する。
Ark Labsのマルコ・アルゲンティエリCEOは、次のように説明した。
また、Arkadeは「Arkade Assets」という機能を通じてビットコインをステーブルコインの拠点として確立することも目指している。USDTを上場させることも計画しているところだ。
Ark Labsは、これまでビットコインのプログラム可能性に限界があったため、ステーブルコイン活動の大部分は他のブロックチェーンに移行していたが、これを取り戻すための基盤を提供すると述べた。
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Arkadeは、ビットコインのトランザクション層を仮想トランザクション出力(VTXO)を通じて仮想化する。これは、ビットコイン・ネットワークにおける未使用トランザクション出力(UTXO)のオフチェーン表現だ。
ポイントは、Arkadeはビットコインの既存の仕組みであるコンセンサスルール(UTXO構造や署名検証、ブロックチェーンの整合性など)をそのまま利用しており、ビットコインの安全性や信頼性を損なう変更を加えていないことである。
ビットコインでは、各コインは、UTXO(未使用トランザクション出力)として価値を持っている。各UTXOは送信されるたびに新しい出力として消費される。
こうした出力をオフチェーンで仮想化することで、Arkadeはビットコインのセキュリティモデルを活用しながら、ユーザーが資産を即座に移動、貸し出し、取引できるようにする。
UTXOから派生したVTXOを取り扱うのは、アークサービスプロバイダー(ASP)だ。ASPはユーザーの資金を保管しないため、ユーザーは、ASPがオフラインになったり不正行為があった場合でも、オンチェーン上で自分の資産を回収できる。
Arkadeは、ライトニングネットワークのように、オフチェーンの高速決済システムという側面を持つが、その他にレンディング、トレーディング、資産発行といったより複雑な金融業務を実施できるようにするものだ。
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一方で、Arkadeはライトニングネットワークを置き換えるのではなく、補完する存在だとされる。ライトニングネットワークとの相互運用性を確保し、流動性をArkadeとの間で円滑に移動できるようにすることで、潜在的なユースケースを拡大する。
Arkadeは、Draper Associates、Axiom、Fulgur Venturesなどの投資家から支援を受けており、ローンチパートナーには、Breez、BlueWallet、BTCPayServer、BullBitcoinなどが挙げられる。
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