サークル株価15%下落、BISステーブルコイン批判やArkの継続的利確が影響
大手ステーブルコイン発行企業サークル(CRCL)の株価が24日、前日比15%以上下落した。月曜日に記録した298ドルの史上最高値から約25%の調整局面に入り、223ドルで取引を終えた。
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株価下落の背景には国際決済銀行(BIS)が同日発表した批判的な報告書がある。BISは「中央銀行の中央銀行」と呼ばれる機関で、ステーブルコインを「貨幣ではない」と主張し、将来の金融システムの主軸にはなり得ないと結論づけた。
BISの報告書はステーブルコインが健全な通貨制度に必要な3つの要件を満たしていないと指摘。単一性、弾力性、整合性の試験に不合格で、政府の通貨主権を脅かし犯罪を助長するリスクがあると警告した。
報告書によると、ステーブルコインは発行者名が記載されるため19世紀の自由銀行時代の民間紙幣と同様の問題を抱える。異なる発行者間で統一された決済保証がなく、為替レートも変動するため「単一性」を欠くとされた。一方、BISがブロックチェーンの性質を理解していないと指摘する声も上がっている。
Ark売り加速
株価下落には著名ヘッジファンドマネージャーキャシー・ウッド氏率いるArkインベストの大量売却も影響した。同社は月曜日に3つのETFを通じてサークル株41万5844株(11億ドル相当)を売却し、6月5日のIPO上場時購入分から利益確定売りを加速させた。
サークルはIPO価格31ドルから依然として7倍超の上昇を維持しているが、BISの厳しい評価と機関投資家の利確売りが重なり調整圧力が強まっており、ステーブルコイン市場全体への影響が注視される状況となった。
一方、米国ではステーブルコインの総合的規制法案「GENUIS」がトランプ大統領の支持を得ており、成立すれば業界の追い風になり得ると期待されている。
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