ビットコイン懐疑派カーニー首相が続投決定、カナダ総選挙で
カナダの下院総選挙で与党である自由党が勝利し、マーク・カーニー氏が首相として続投することになった。過去に暗号資産(仮想通貨)に懐疑的な見方を示していた人物である。
一方で、イノベーションには前向きであり、仮想通貨をめぐる今後の方針に注目される。
1月時点の世論調査では、ビットコイン( BTC )支持者のピエール・ポワリエヴル氏が勝利すると見られていた。しかし、3月からカーニー氏が、米トランプ大統領の発言への対応により急速に追い上げた格好だ。
トランプ大統領は、カナダを米国の51番目の州にすべきだと発言し、カナダへの追加関税も宣言している。
これがカナダ国民を反発させていたところ、カーニー氏はトランプ氏を厳しく批判し、「これまでの米国との統合関係は終わった」などと演説。こうした姿勢が支持されて逆転勝利となった。
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敗れたポワリエヴル氏が、ビットコインを決済手段として受け入れることについて言及していた一方で、カーニー氏は過去にビットコインに対して懐疑的な発言をしていた。
カーニー氏は、イングランド銀行総裁在任中の2018年、ビットコインは、通貨の3つの機能である価値保存、交換手段、計算単位を果たしていないとコメント。仮想通貨は一部の人々にとって、限られた範囲でしか貨幣として機能していないとも述べていた。
また、民間ステーブルコインは流動性要件を含む、商業銀行マネーと同等の規則に従うべきだとしており、中央銀行デジタル通貨(CBDC)には前向きな姿勢を示してきた。
一方で、仮想通貨を全面的に否定している訳ではない模様だ。2018年には仮想通貨の基盤となる技術は「刺激的」と評価しており、規制環境を整えることを論じている。
カーニー氏は2018年時点で、仮想通貨取引所には市場操作、詐欺など不正行為の誘惑が多いと指摘。「規制されれば、最高の仮想通貨は、最高の取引所に集まるだろう」との考えを示していた。
また、カーニー氏は、テクノロジーやイノベーションには前向きな方針だ。米国で仮想通貨に友好的な候補者を応援するスーパーPAC(特別政治行動委員会)「Stand With Crypto」も、カーニー氏を「やや仮想通貨賛成派」寄りだと評価している。
トランプ政権がビットコイン備蓄を承認するなど、仮想通貨をめぐる状況もここ数年で変化しており、カーニー氏が今後、仮想通貨に対してどのような姿勢を表明するのか注目されるところだ。
カナダでは今月、世界で初めてソラナ(SOL)現物ETFが承認され、16日より取引開始されている。ステーキング要素も取り込んだものであり、カナダはアルトコインETFで世界の中でも先進的な動きを示したことになる。
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