世界最大の仮想通貨取引所バイナンス(Binance)が、対イラン制裁への違反の可能性を巡り、米連邦検察の捜査を受けていることが分かった。米ブルームバーグが22日、事情に詳しい複数の関係者の話として報じた。
捜査を主導するのはニューヨーク・マンハッタン連邦検事局で、首都ワシントンの司法省刑事局も加わっている。焦点は、バイナンスが特定の取引を認識しながら看過していたかどうかで、当局は同社のコンプライアンス体制そのものを調べている。
バイナンスは2023年11月、資金洗浄防止(AML)法や無許可の送金業、制裁関連法への違反を認め、有罪答弁に応じた。制裁金は総額約43億ドルに上り、共同創業者のチャンポン・ジャオ(CZ)氏はCEOを退任し禁錮4カ月の刑を受けた。司法省と財務省がそれぞれ独立監視人を設置し、以後もコンプライアンス改善の履行状況を監視してきた。
2026年に入り、バイナンスを巡るイラン関連の疑惑は複数の米メディアで報じられてきた。2月には米ニューヨーク・タイムズやウォール・ストリート・ジャーナルが、2024年3月から2025年8月の間に約17億ドル相当がイラン関連の主体に流れた可能性を指摘し、社内調査を担った担当者が解雇されたと伝えた。
ブルーメンソール上院議員は2月25日に上院調査を開始し、4月17日には司法省と財務省傘下のFinCENに書簡を送付、コンプライアンス監視状況に関する文書提出を4月24日までに求めた。
バイナンスはこれら一連の報道について、イランの主体と直接取引した口座はないとして繰り返し否定してきた。同社はウォール・ストリート・ジャーナルの親会社ダウ・ジョーンズを名誉毀損で提訴するなど、法廷でも疑惑への反論を続けている。