サムスン電子は8日(現地時間)、一部国を皮切りに今年中、サムスンウォレット(Samsung Wallet)内でステーブルコインの口座開設や海外送金、決済機能を順次導入する方針を明らかにした。米仮想通貨専門媒体サンドマーク(Sandmark)の取材に対する書面回答で示した。
サムスン電子は7月22日、英ロンドンで開いた新製品発表会「Galaxy Unpacked 2026」でウォレットのステーブルコイン対応構想を公表していた。今回の回答は導入時期を「今年中」と初めて明示した点で一歩踏み込んだ内容となる。
サムスン電子の担当者はサンドマークに対し「今年、一部国を対象に開始し、サムスンウォレット内で口座開設、海外送金、決済の機能を順次導入する計画」とした上で「各国の規制や市場環境を精査し、適切な時期にグローバル展開を進める」と説明した。初期の対象国や対応するステーブルコインの種類、具体的な提供時期は明らかにしていない。
発表会「Galaxy Unpacked 2026」で示されたウォレット画面には、 1500USDC 相当の残高とともに送金・受取・入金のボタンが表示されていた。もっとも大半の機能はすでに存在する。サムスン電子は2019年以降、秘密鍵を端末内の隔離領域で守るセキュリティ機能「Samsung Knox」を通じ、非保管型の「サムスンブロックチェーンウォレット」でビットコイン( BTC )、イーサリアム( ETH )、トロン(TRX)の保管・送金に対応してきた。
米大手取引所コインベース(Coinbase)との提携では、米国の利用者がウォレット内で取引所残高を確認し、決済サービス「Samsung Pay」経由で購入資金を入金できる。一方、今回の書面回答が示す口座開設や海外送金、店舗決済の機能は、本人確認(KYC)や送金業のライセンスを前提とする預託型サービスとみられ、利用者自身が秘密鍵を管理する現行モデルとは事業の性質が異なる。
ステーブルコイン発行企業オープンスタンダード(Open Standard)は6月30日、自社発行のドル建てステーブルコイン「OUSD」の提携先140社超にサムスン電子を含めると発表した。
ただしサムスン電子は7月3日、韓国経済紙チョーサンビズに対し正式な協議は行っておらず、担当する役割も未定と説明している。サムスンカードは同コンソーシアムの韓国カード会社枠に別途名を連ねている。