ストラテジーは30日の決算説明会で、今後の資金調達によって得たビットコインとドルの配分方針を転換すると説明した。これまでは調達資金のほぼ全額をビットコイン購入に充ててきたが、今後は市況に応じてBTCとドル準備金の比率を動かす方針に切り替える。
執行会長のマイケル・セイラー氏は、従来「BTCを買い続けること」を重視してきたが、ドルを保有することの価値を過小評価していたと振り返った。「98%や99%をBTCに、1%をドルに配分した局面では、BTC投資家も株式投資家も信用投資家も、誰も納得しなかった」と述べ、BTC偏重が実際には逆効果だったと説明した。
同社は2026年7月26日時点で84万3,775BTCを保有しており、平均取得単価は約7万5,000ドル、取得総額は約640億ドルに上る。保有BTCの評価額(7月27日時点の見込み)は約550億ドル程度とされる。四半期中の純増は8万3,901BTCで前四半期比11%増、年初来では約25%増加した計算だ。
BTCの世界最大の機関投資家保有主体という位置付けは変わっておらず、今回の配分方針の転換は、この巨大なBTCポジションを維持しつつドル準備金の比率を市況に応じて調整するという運用面の見直しにあたる。
配分判断の材料として同社が挙げるのが、ビットコイン価格の200週移動平均線に対するプレミアム(割高度)だ。セイラー氏は、この指標を新たに自社サイトで公開したと明かし、プレミアムが大きい局面ではドル寄りに、逆に割安・小幅プレミアムの局面ではBTC寄りに配分する考えを示した。
あわせて、優先株式など信用商品の残存配当・利払いのカバー年数も配分の判断材料になる。同社のドル準備金は現在37億5,000万ドルで、配当・利払いの2.1年分に相当する水準まで積み上がった。
フォン・リー氏はすでに、カバー年数の目標を「2年から3年の間」と説明しており、今回の配分方針転換もこの水準を維持するための運用面の対応と位置付けられる。
セイラー氏はこの日、「BTCを最も多く買う最善の方法は、BTCを買い増さないことかもしれない」と述べ、比率を機動的に調整すること自体が、結果的に長期的なBTC蓄積につながるとの考えを示した。
CEOのフォン・リー氏は、永久優先株式STRCの発行から約9カ月間の経験を踏まえ、「調達した資金をすべてBTCに注ぎ込むべきだという、BTC強気派の単純な発想に従うべきではないと学んだ」と述べた。ドルを一定水準保有する方が、STRCを含む信用商品の安定につながるとの認識を示した。
リー氏は、市況・需要・金利・保有ドル残高などを総合的に見極めながら、信用商品の拡大ペースを今後はより慎重に調整していく方針だと説明した。