暗号資産(仮想通貨)ジーキャッシュ(ZEC)関連の非営利団体Sovrightは30日、ZECウォレットの復旧ツール「Argos」を発表した。
このツールにより、ジーキャッシュの初期ユーザーは、2022年に旧ウォレット「ZEC Wallet Lite」の保守が終了した後に取り残されてしまった資金を復旧できるようになった。
「Argos」はダウンロードして使うデスクトップアプリであり、機密性の高い処理(シードの取り扱い、鍵の生成、スキャン、署名など)をすべて、ユーザーのコンピュータ上のローカル環境で行うものだ。
ローカル環境でシードを検証し、過去のウォレット状態をスキャンした後、復元可能な資金を最新のジーキャッシュ・ユニファイドアドレス(Unified Address)へ送金する。
Sovrightは、もしウェブサイト上でシードフレーズの入力を求められた場合は、それは偽のサイトであると注意を促している。
対象となるのは、古い「ZEC Wallet Lite」のシードフレーズは持っているものの、旧来のウォレット環境が利用できなくなったユーザーだ。ウォレットのデータベースファイルは不要で、必要なものは旧ウォレットの24単語のシードフレーズ、復元した資金を受け取るための最新のジーキャッシュウォレットである。
Sovrightは、最新ウォレットとしては初期状態でUnified Addressを生成するZODL(元ECC従業員が設立)製のZodlウォレットを推奨するとしている。スキャン完了までは数時間以上が必要だ。
Sovrightは、「Argos」開発の背景は「ZEC Wallet Lite」の保守が終了し、かつ代替となる利便性の高いツールが存在しない状況下で、ジーキャッシュのユーザーが資金へのアクセスを失っている状況を目の当たりにしたことだとしている。
復元は無料で、今後も無料の見通しだ。ユーザーは、Argosやその他ジーキャッシュ・ツールの開発を支援したい場合、新しいウォレットへの資金移動プロセス中に寄付を選択することも可能だ。
Sovrightは、ジーキャッシュの研究開発企業エレクトリック・コイン・カンパニー(ECC)を統括していた旧ガバナンス団体Bootstrapの後継となる非営利団体である。
先週、同団体は「Sovrightマイニングプール」をテストネット上で立ち上げたところだ。これは個人マイナーを支援し、高度に集中しているジーキャッシュのハッシュレート(計算能力)を分散させることを目的としている。
また、現在の主要なジーキャッシュ・マイニングプールでは、採掘報酬は公開アドレスへ支払われている。そのため、誰がどれだけ採掘したかや報酬額などがオンチェーンで公開される。一方、Sovrightのプールは、採掘報酬そのものをシールド(秘匿化された)ZECで支払う設計だ。