イーサリアム財団の元メンバーであるトレントン・ヴァン・エップス氏は18日、イーサリアム財団に関する自身の考えをXで共有した。
エップス氏は暗号資産(仮想通貨)イーサリアムの開発の資金面に精通した人物。今回の投稿では、イーサリアム財団のこれまでの取り組みについて述べた上で、開発における資金面でのリスクに警鐘を鳴らしている。
エップス氏は、2021年5月(LinkedInによると同3月)から2026年4月まで5年間イーサリアム財団に在籍していた。今回の発表で、在籍時はコア開発の調整やイーサリアムの運営や経済面の分析に特化していたという。
また、もう1つの肩書きとしてエップス氏は、Protocol Guildのオペレーションチームに所属。在籍期間はこちらも2021年からで、現在も継続している。Protocol Guildは、イーサリアムのコア開発者が資金を得られるように取り組んでいる独立組織だ。
そのProtocol Guildに所属するエップス氏が今回、全てのコア開発者との最近の会話を根拠にして、これから3カ月から9カ月以内に、イーサリアム開発は現状のままでは徐々に進行する「資金調達の危機」に陥るリスクがあると警告した。
そして、これは資金の調達と配分に関するより大きな構造的問題の兆候であると自身は考えていると説明。イーサリアムの複雑な機能を安全に提供する能力は、多様で制約のある資金源からの年間約3,000万ドル(約48億円)という多額かつ継続的な資金提供によってのみ維持されていると指摘した。
その上で、継続的な資金提供ができなくなると重要な人材を失うことになり、量子コンピュータ対策やスケーリング(拡張性向上)などの課題で遅れてしまい、最終的にメインネットの信頼性への評価が危険にさらされると警告している。
他にもエップス氏は今回、新しい複数の組織がイーサリアムを世界に届ける時期に来ていることなども述べた。
エップス氏の投稿は広く関心を集めたが、否定的な見方も上がっている。イーサリアム財務企業ビットマインのトム・リー会長はXでエップス氏の投稿に関する報道を引用し、「個人的には、資金は確保されており危機はイーサリアムには起きないと考えている」とコメントした。
なお、イーサリアム財団やイーサリアムに関する改革提案はこれまでも行われている。例えば、イーサリアムのリサーチャーを務めた経験を持つダンクラッド・フェイスト氏は先月「イーサリアムを救う方法」をXで提案した。
フェイスト氏は、イーサリアムを再び成功させたいのであれば信頼できる財源を持つ新組織を創設し、その組織は最初に最低でも10億ドル(当時のレートで約1,590億円)の資金を調達する必要があるなどと主張した。
イーサリアム財団やイーサリアムに対して改革の必要性を訴える声が聞かれるようになった背景の1つに、人事で重要な動きが増えていることがある。コミュニティの間で、何が起こっているのかと疑念が高まり、透明性の欠如などを指摘する声が増えていた。
日本時間18日には新たに、ワン・シャオウェイ氏がイーサリアム財団の共同エグゼクティブディレクターとボードメンバーから身を引くことを決断したと発表。説明によれば、発表と同日に実際に退陣している。
なお、ワン氏はイーサリアムやイーサリアム財団を批判しているわけではない。いったん休暇を取得した際に今後の優先事項や人生について考え、身を引く決断をしたと述べている。
また、現在でもイーサリアムコミュニティのメンバーであることも説明した。


