韓国の国民5万2,000人以上が、暗号資産(仮想通貨)への所得税課税の撤回を求める請願書に署名した。地元メディアが22日に報じた。
金融業界関係者によると、国会のオンライン請願プラットフォームに掲載された「仮想資産課税撤廃請願」は、開始からわずか8日後の2026年5月21日に署名数が5万を突破。韓国議会、常任委員会への付託要件を満たした形だ。
今後、この署名は経済財政部と国税庁を管轄する財政経済企画委員会で審査される見込みである。
韓国政府は7日、仮想通貨売買益への22%課税を予定通り2027年1月1日から実施すると表明したばかりだ。年間250万ウォン(約26万円)を超える部分に対して国税と地方税合計22%が課されることになる。
投資家は、特に株式に対する課税とバランスが取れていないと問題視している。韓国では株式などの従来型資産の場合、一般個人投資家(少額株主)は、売却益に所得税がかからない。その状況で仮想通貨に課税されることは不公平だと主張する格好だ。
その他に、投資家は仮想通貨では損失繰り越し控除が認められない仕組みにも反発。仮想通貨のボラティリティ(価格変動の大きさ)を考えると過剰な負担だと批判している。
韓国銀行のデータによると、2026年2月末までの1年余りで韓国の投資家が保有する仮想通貨総額は半減しているところだ。仮想通貨価格の下落に加え、AI(人工知能)・半導体株主導で急騰した株式市場へと資金が吸収されたと伝えられる。
韓国では、これまでたびたび仮想通貨への所得税課税が延期されてきた。最初は2020年の所得税法改正で提案されたが、2022年・2023年・2025年と施行が3度にわたって先送りされてきた格好だ。
韓国は、世界でも個人による仮想通貨取引が活発な国の一つであり、これも政治的な圧力となって先延ばしが実施されてきたとみられている。
金融委員会のデータによると、2025年6月20日時点で、韓国の仮想通貨市場の時価総額は95兆1,000億ウォン(約9.9兆円)に達している。
野党である「国民の力党」は3月に、仮想通貨取引による利益に対する課税を完全に廃止する法案を提出しており、国会審議待ちの状態だ。しかし与党は現在のところ、予定通り課税制度を導入する姿勢を崩していない。