米共和党のニック・ベギッチ下院議員は5月21日、政府保有のビットコイン( BTC )を戦略的準備資産として法制化する「アメリカン・リザーブ・モダナイゼーション法(ARMA)」を提出した。法案は財務省に対し、デジタル資産を最低20年間準備資産として保持することを義務付ける内容だ。
ARMAは連邦政府各機関に分散している押収・没収由来のデジタル資産を一元管理下に統合し、プルーフ・オブ・リザーブ報告書による透明性確保も義務付ける。民主党のジャレッド・ゴールデン議員が主要な民主党側共同提案者を務め、マイク・コリンズ議員ら計17名が原案賛同者に加わっている。
トランプ大統領は2025年3月の大統領令でビットコイン戦略準備金を創設したが、法的根拠は行政命令にとどまるため、政権交代や議会の意向で方針が覆されるリスクがある。
ゴールデン議員は声明で「法律としての重みを持たせることで、行政府の裁量による売却や転用を防ぐ」としている。
現時点で米政府は世界供給量の約1.6%に相当する約32万8,000BTCを保有している。ホワイトハウスのデジタル資産諮問委員会のパトリック・ウィット事務局長は4月のビットコインカンファレンスで、資産保管インフラの構築が完了し、正式発表が近いと述べたが、新規購入は現段階の方針に含まれていない模様だ。
また、スコット・ベッセント財務長官は以前、政府機関による追加購入を否定しており、現行方針は既存の押収資産の維持・保有にとどまる。
ARMA法案もビットコインの新規取得を義務付ける内容は含まれていない。
2025年3月にはバイロン・ドナルド議員、同年6月にはティム・バーチェット議員も同様の法制化法案を提出したが、いずれも進展はなかった。また、政府に年間20万BTCの購入を許可する別法案も提出されているものの、政治的摩擦から実現の見通しは立っていない。