米暗号資産(仮想通貨)運用会社グレースケールのリサーチ責任者、ザック・パンドル氏は4日、量子コンピュータによる暗号技術へのリスクは、ビットコイン( BTC )価格を押し下げる主因ではない可能性が高いとの分析を発表した。
パンドル氏は前提として、高度な量子コンピュータが将来的に古典的な暗号技術によるデジタルセキュリティを脅かす可能性があり、グレースケールも各ブロックチェーンが量子対策を進める取り組みを支援していると述べた。
その上で、「この問題はビットコイン価格下落の主な要因ではないと考えられる」との見解を示している。
パンドル氏は量子コンピューティングに特化した上場企業の株価とビットコイン価格を示すチャートを提示。ここ数か月間、そうした企業の株価とビットコイン価格はほぼ連動して推移していると述べた。
パンドル氏は、量子コンピュータの技術革新がビットコイン価格を抑制する要因となっているのであれば、ビットコイン価格が下落する一方で、同業界企業の株価は上昇しているはずだが、実際には両者がほぼ同じ方向に動いていると指摘。また、次のように続ける。
昨年10月以降のビットコインおよび量子コンピューティング関連株の下落は、主にAI(人工知能)による破壊的イノベーションへの懸念によって引き起こされたものだとの見解も示した。
最近では、特にグーグルが3月、量子技術のフロンティアが訪れる時期は「見かけよりも近いかもしれない」との記事を公開したことから関連する議論が盛んになっている。グーグルはポスト量子暗号(PQC)体制への移行に向けた対応期限を2029年と設定した。
量子コンピュータが2029年までに暗号を破れるようになると言っているわけではないが、準備を早めに行っておく必要性を広く業界に呼びかけた格好だ。
グレースケールのパンドル氏は4月にも量子コンピュータとビットコインについての記事を公開。ビットコインは工学的観点では他の仮想通貨より量子脆弱性が低く、技術的な対応策は「実行可能」だと述べた。
一方で、ビットコインコミュニティは過去にプロトコル変更をめぐって激しい議論を繰り返してきた経緯があることから、合意形成こそが最大の課題になると意見していた。


