ブルームバーグのシニアETFアナリストであるエリック・バルチュナス氏は23日、ビットコイン( BTC )現物ETFの全ての追跡指標が数ヶ月ぶりにプラスに転じたと報告した。年初からの流出超過を乗り越え、短期・長期の全ての集計期間において流入が流出を上回るプラスの状態へ回帰したことが判明した。
現物ビットコインETF全12銘柄の累計流入額は、23日午前時点で580億ドル(約9.2兆円)となった。過去最高記録である628億ドルの奪還に向け、木曜朝の単日流入額は3億3,500万ドルを超えており、中東情勢の緊迫化やインフレ懸念によって流出が加速した3月後半の停滞期を脱する動きを見せている。
最大規模を誇るブラックロックの「IBIT」は、過去1ヶ月で19億ドルの流入を記録し、依然として市場を牽引している。IBITの流入規模は世界の全ETFの中でも上位1%に含まれており、単独での預かり資産残高も全仮想通貨関連ファンドの中で圧倒的な地位を確立した。
ザ・ブロックの報道によると、BNYアセット・サービシングのグローバルETF責任者であるベン・スラビン氏は、現在の流入は一時的な投機ではなく構造的な変化であると分析した。同氏は、投資家が価格下落時にも「出口への殺到」を見せず、現物ETFを資産配分モデルにおける「バイ・アンド・ホールド」の対象として活用している事実を指摘した。
この長期保有の傾向は、戦術的なトレーディングツールとしてのみ利用されていた過去のサイクルとは対照的である。ビットコインが現代のポートフォリオにおいて不可欠な構成要素として組み込まれ始めたことで、市場の安定性が一段と向上している。
一方で、グレースケールのGBTCは単日で1600万ドルの流出を記録し、年初来の累計流出額は約9億6,000万ドルに達している。現物ETF全体の運用資産残高(AUM)は約1,250億ドルとなっており、ビットコインが12万ドルを超えていた2025年10月の過去最高値(1,620億ドル)の回復を目指す途上にある。
3月の流出要因となったインフレ懸念や地政学的リスクは依然としてくすぶっているが、足元のプラス転換はデジタル資産クラスに対する投資家の信頼回復を裏付けている。機関投資家による構造的な資産配分が継続している状況は、市場の成熟化を裏付ける動きとして認識されている。