参議院の財政金融委員会で21日、ブロックチェーン基盤の予測市場が議題に上がった。
国民民主党の原田秀一議員が会議で予測市場に対する見解を質問。回答を担当した金融庁の井上俊剛企画市場局長は、日本における予測市場の展開に慎重な姿勢を示している。
原田氏は会議の質疑で、米国ではポリマーケットなどの予測市場が世論調査を超える新しい情報市場として急拡大していると指摘した。
その上で、日本でも賭博としてではなく、経済予測、災害ヘッジ、価格発見市場として予測市場を活用する考えがあるかどうか、見解を質問している。
この質問に対し井上氏は、予測市場の内容にもよるが、賭けの対象になるような予測市場については現在、金融庁が所管する規制法はないと説明した。
そして、そうした予測市場で賭けをするような行為は賭博と同じではないかといった指摘があることなどを踏まえると極めて慎重に対応する必要があると考えていると述べている。
原田氏は他にも、予測市場は単なる賭けではなく、集合知を可視化するツールとして、一定の公共性を持っているのではないかと考えているとも説明した。
お金をかけて真剣に予測するインセンティブが働くため、世論調査や専門家の意見よりも正確な予測を出すことが多く、意思決定の支援ツールとして機能すると主張している。
また、ブロックチェーン技術を活用するため取引履歴が公開され、不正な操作が難しいという健全性もあると指摘。その上で、予測市場の情報インフラ機能という観点で追加の感想があるかも質問した。
この質問に対して井上氏は最初に、自律的に取引所と称する場で行われていることについて、第三者の検証が入っているかどうかも明確ではないところがあると考えていると回答。そして、報道ベースではあると前置きした上で、最近のイラン侵攻に関するインサイダー取引の疑惑があることも指摘している。
その上で、予測市場については慎重に対応する必要があると再度回答した。
今回の質疑を受け、国民民主党の玉木雄一郎代表は21日にXで、同党は予測市場の可能性に注目していると述べた。
予測市場の参加者はお金を投入するため、真剣に情報を集め、正確に予測しようとする動機が働き、アンケートや専門家の分析よりも精度が高いとされていると説明している。
一方で、日本ではギャンブルとみなされる可能性があり、法的な整備が必要であるとし、国民民主党は投資家保護を図りながら、予測市場のメリットやその公益性を活かせるよう適切なルール作りに取り組んでいくと表明した。
原田氏は他にも、DEX(分散型取引所)のハイパーリキッドを例に挙げ、海外ではオンチェーン上で様々な資産クラスの取引が進んでいると述べ、米議会でも規制上の取り扱いについて議論が進んでいると指摘した。
そして、米国では、国外の永久先物市場が巨大化して消費者や経済に影響を与えうるため、正規取引所と同様の規制を課すことも提案されており、こういった取引活動を米国の規制下に戻す動きがあることに言及している。
その上で、将来的に日本市場はDEXを規制内に置くのか、あるいは日本での使用を規制するのか、日本政府の方針を片山さつき財務大臣に質問した。
片山氏は質問に対し、DEXの中には実際には中央集権的な性質を有する場合があることが指摘されていることに言及。そして、現在の規制上、DEXが資金決済法上の暗号資産(仮想通貨)交換業に該当するかどうかは、個々のケースごとに規制の対象となる者の有無も含めて、実態に応じて判断する必要があると考えていると話した。
今後の規制ついては、金融審議会のワーキンググループの報告書で「暗号資産交換業者に対する規制とは異なる、技術的性質に合わせた過不足のない規制のあり方について、各国の規制やその運用動向も注視しながら継続して検討を行うことが適当である」と提言してもらっていると説明した。
その上で、金融庁は現時点では、こうした提言を踏まえてDEXの規制のあり方について継続的に検討していく方針だと回答している。