分散型AI開発ネットワーク「Bittensor(ビットテンソル)」のサブネット運営者Covenant AIと、ビットテンソルのプロジェクト創設者であるジェイコブ・スティーブス氏の間で対立が起きている。
Covenant AIは、ビットテンソルの中央集権制を批判し、離脱を宣言した。これを受けて、ビットテンソルの独自トークンTAOは過去1週間で約17%下落している。
ビットテンソルはAIの分散型マーケットプレイスであり、様々なAIタスクをブロックチェーン上で処理することができる。サブネットとは、ビットテンソル内で、専門分野ごとに分かれたネットワークだ。
Covenant AIは、その中でも最も成功したサブネットを複数運営していた開発チームである。Covenant AIのサム・デア創設者は10日、ビットテンソルは分散型とされるが実際は中央集権的だとして、次のように述べた。
また、こうした行為は、分散型コンセンサスに基づく決定ではなく、スティーブス氏一人の意志による懲罰的な行動だったとも述べる。
ビットテンソルは、ネットワークアップグレードのためのマルチシグを管理する3人の個人からなる三頭体制を取っているものの、実際はスティーブス氏が支配しており、自分の都合の良い時に一方的に変更を行う状況だとも主張した。
その上で、Covenant AIは「分散型でパーミッションレスなAIトレーニング」を追求するためにビットテンソルを離脱すると宣言している。
スティーブス氏は10日、すぐにこれに反論。デア氏が言及したトークン報酬配布などの4つの行為をすべて否定している。
まず、トークン報酬配布を停止する権限は持っていないと述べた。Covenant AIの3つのサブネットが稼働していなかったため、そのアルファトークン(固有トークン)の一部を売却しただけだとしている。
次に、一時的にデア氏がチャンネル内の投稿を削除できないようにしていたことは認めた。これは、デア氏が「誠実な批判」を削除していたためだと説明。その後は削除権限を戻したと続けている。モデレーター権限は削除していないとも強調した。
また、「非推奨にしたこと」については「何を意味するのか不明」と述べた。トークンセールについては、売却額は、デア氏のチームへの投資額の1%未満であり、大きなものではないと釈明している。
分散型金融(DeFi)プロジェクトの運営は実際に分散されているのかという問題については、最近たびたび議論になっている。欧州中央銀行も3月、ガバナンス集中化の問題を分析するレポートを発表した。