デジタルアイデンティティプロジェクトの「ワールド(旧ワールドコイン)」は10日、2026年7月24日よりWLDトークンのアンロック(ロック解除)速度を43%減速させると発表した。同プロジェクトは、既存のスケジュールに基づき1日あたりの市場放出量を大幅に抑制することで、需給構造の健全化と価格の改善を図る方針だ。
具体的には、全トークン割当の合計アンロック速度を、現在の1日あたり約510万WLDから約290万WLDへと削減する。コミュニティ向けの放出量は1日320万WLDから160万WLDへと50%減少し、投資家およびチーム向けも約32%の減速が適用される設計となっている。
10日時点のデータによれば、発行上限100億WLDのうち約49%に相当する49億WLDがロック解除されており、33億WLDが市場に流通している。
ワールドはオープンAIのサム・アルトマンCEOが共同創設したプロジェクトで、虹彩認証デバイス「オーブ」を活用した人間証明システムを展開している。
今回の放出抑制は、大規模な供給増に伴う二時市場での売り圧力緩和に大きく寄与すると期待される。一方、プロジェクト運営側のワールド・アセッツは、3月28日にも約6,500万ドル相当のWLDを相対取引(OTC)を通じて機関投資家に売却し、事業運営資金を確保したばかりだ。
WLDの市場価格は2024年3月の高値11.7ドルから約97%下落しており、地合いの悪化が投資家心理に影響を与えていた。今回のOTC売却価格は平均0.2719ドルと過去最安値圏に設定されており、過去の1.13ドルや5.43ドルといった調達価格を大幅に下回った。
調達された資金は、次世代オーブの製造や生体認証技術の研究開発(R&D)、エコシステムの拡大に向けたコア事業の運営に充当される。
WLDトークンは最終的にプロジェクト立ち上げから15年をかけて全量がアンロックされる設計だが、今回の速度調整により中長期的なインフレ率が抑制される見通しだ。