大手分散型予測市場のポリマーケットは6日、今後2〜3週間で取引所のインフラストラクチャ全体を全面的に刷新するアップグレード計画を発表した。ローンチ以来最大規模となる今回の移行では、新しいスマートコントラクトやオーダーブックに加えて独自ステーブルコインの導入が予定されている。
ネットワークの基盤を管理するスマートコントラクトは、高速で高効率な照合エンジンを備えた「CTF Exchange V2」へとアップデートされ、注文構造の最適化によるガス消費の削減が見込まれる。また、スマートコントラクトからの署名を直接検証できるイーサリアム規格「EIP-1271」への対応により、セーフ(Safe)などのマルチシグウォレットからの取引も容易になる。
今回の刷新における資金面での最大の変更点は、従来活用されていたポリゴン(Polygon)上のブリッジ版トークンであるUSDC.eからの脱却である。今後はサークル発行のネイティブなUSDCに1対1で裏付けられた新たなステーブルコイン「Polymarket USD」がプラットフォームの担保資産として導入される方針だ。
多くの一般投資家に対するプロセスは事前の承認プロンプト画面において自動で処理されるため、シームレスな資産の移行が可能となる。一方でボット等を活用するAPIトレーダーは、対象のスマートコントラクトを通じて手動で資産を変換し、最新版の提供SDKを用いて既存の全注文を再署名する必要がある。
アップグレードの実施に際しては一時的なメンテナンス期間が設けられており、公開されている既存の全オーダーブックが完全にリセットされる予定だ。
スムーズな移行に向けたインフラ整備が進められており、正確なメンテナンス日時についてはシステム切り替えの少なくとも1週間前までに公式から告知される。
ポリマーケットは近年継続的な成長を遂げており、カルシ(Kalshi)といった競合他社に加えて、コインベースなどの大手仮想通貨取引所も予測市場へ相次いで参入している。流動性獲得の競争が激化する環境において、オンチェーン上での処理速度向上や安全な資金管理を提供する今回の基盤刷新は極めて重要な意味を持つ。
新たなブロックチェーンインフラが確立されることで、今後の市場に大規模な機関投資家の資金や様々な自動化プロトコルによる確実な流動性が供給されると見込まれている。なお、今回の公式声明において、多くの投資家が期待を寄せていたガバナンストークン発行の動向についての新たな言及は確認されなかった。