韓国金融監督院(FSS)は月曜日の記者会見で、仮想通貨取引所ビッサムが6.8兆円相当のビットコインを顧客に誤配布した問題について調査を開始したと発表したと複数のメディアが報じた。
FSS院長は今回の誤配布が「仮想資産取引所の台帳システムにおける構造的問題を露呈させたものだ」と述べ、業界全体の監督強化に乗り出す姿勢を示した。
ビッサムは2月6日、イベント報酬として2,000ウォン(約214円)を配布する予定だったが、入力ミスにより695名の顧客に合計62万BTC、1人あたり最大2,000BTCを誤配布した。現在の価格で計算すると1人あたり約1億4,000万ドルに相当する。誤配布は取引所の内部台帳上の記録で、実際のオンチェーン送金は発生していない。しかし一部顧客が即座に売却を試みたため、ビッサム上のビットコイン価格は一時5.5万ドルまで急落し、他の取引所の7万ドル前後を大きく下回る事態となった。
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ビッサムは異常取引検知システムにより誤配布発生から35分以内に全顧客アカウントの取引と出金を制限し、99.7%にあたる61万8,212BTCを回収した。残りの0.3%は会社資産で補填したと説明している。同社は外部ハッキングやセキュリティ侵害とは無関係で、システムセキュリティや顧客資産管理に問題はないと強調した。
ただし金曜日のシステム障害時、ビッサムはウォレットに存在しない62万BTCを配布(入力)したものの、実際には自社保有175BTCと顧客資産4万2,619BTCしか保有していなかったことが指摘されている。
FSSは今回の事態を受け、IT事故への罰金導入、経営陣のセキュリティ責任強化、情報セキュリティ開示要件の拡大など規制を強化する方針だ。新たな措置にはITシステム資産の自己管理要件や、重大な脆弱性に対処しない企業への現場検査も含まれる。
ビッサムのイ・ジェウォンCEOは2月9日、補償計画を発表した。事故発生時にアプリやウェブサイトに接続していた全利用者に2万ウォン(約2,100円)を支払い、誤表示された低価格でビットコインを売却した顧客には売却価格の100%に加え10%の慰謝料を支払うという。
なお、この問題は韓国国内で政治的な波紋を広げている。与党民主党の報道官は先週末の声明で、今回の事態が仮想通貨取引所運営における「構造的脆弱性を明確に露呈させた」とし、「決して些細な問題ではない」と強調。報道官は「台帳取引と実際のブロックチェーン資産間のリアルタイム検証システム、多重検証手続き、人的ミスとシステムエラーを同時に防げる内部統制システムの構築は、もはや先送りできない課題だ」と述べた。
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