米資産運用大手のフィデリティ・インベストメンツは28日、初のステーブルコイン「フィデリティ・デジタル・ドル(FIDD)」を数週間以内にローンチすると発表した。
FIDDはフィデリティ・デジタル・アセッツ・ナショナル・アソシエーションが発行し、個人投資家と機関投資家の両方が利用可能となる。フィデリティは従来の金融機関として独自のデジタルドルを発行する初期の事例の1つとなる。
フィデリティ・デジタル・アセッツのマイク・オライリー社長は「フィデリティはデジタル資産エコシステムの変革力を長年信じており、ステーブルコインの利点について研究と提唱を重ねてきた。主要な資産運用会社でありデジタル資産のパイオニアとして、投資家にオンチェーンユーティリティをデジタルドル経由で提供できる独自の立場にある」と述べた。
FIDDは米ドルの安定性と信頼性にデジタル資産とブロックチェーン技術の利点を組み合わせた安定したデジタルドルを投資家に提供することを目指すものだ。
10年以上にわたる同社のデジタル資産分野での研究開発に基づき構築され、機関投資家グレードのセキュリティを備えたフィデリティ・デジタル・アセッツの厳格な運用基準に裏付けられている。準備資産の管理はフィデリティの長年の資産運用専門知識を活用しフィデリティ・マネジメント&リサーチが実施する。
顧客はフィデリティ・デジタル・アセッツ、フィデリティ・クリプト、フィデリティ・クリプト・フォー・ウェルス・マネージャーズの各プラットフォームで1ドルでFIDDを購入または償還できる。FIDDは上場されている主要取引所でも購入可能で、保有者はFIDDを任意のイーサリアム( ETH )メインネットアドレスに転送することもできる。
また、コイン発行に関する情報は流通供給量と準備資産純資産価値を含め、毎営業日の終了時点でフィデリティのウェブサイトで開示される。
オライリー氏は「ジーニアス法の最近の成立は、ペイメント・ステーブルコインに明確な規制ガイドラインを提供する業界にとって重要なマイルストーンだった。規制の明確性が高まる中でフィアット担保型ステーブルコインをローンチし、顧客のニーズをより良くサポートし、市場に選択肢を提供し、より効率的な金融システムへの継続的な進展を可能にすることに興奮している」と述べた。
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フィデリティは2014年から研究、取引、カストディ、投資商品を含む伝統的資産クラスと同等のインフラ、商品、サービスを備えた仮想通貨エコシステムの開発に取り組んできた。仮想通貨取引サービスのほか、ビットコインやイーサリアムの現物ETFも提供している。
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