ソラナ( SOL )など分散型ネットワークの規制について政策立案者に働きかける非営利組織「ソラナ・ポリシー・インスティテュート(SPI)」は9日、米証券取引委員会(SEC)に対し、分散型金融(DeFi)開発者に対する明確な除外を与えるよう要請する書簡を提出した。
これは、昨年12月にヘスター・ピアース委員が、暗号資産(仮想通貨)の国内証券取引所やATS(代替取引システム)における取引方法に関して意見公募を行ったことに対する回答である。
SPIは、開発者や運営者がユーザー資産や取引に対して「預かり(カストディ)」も「判断・操作(裁量)」もしない形で提供されるソフトウェアやスマートコントラクトによる直接取引は、従来型の証券取引所などと同一に扱うべきではないと主張した。
まず、自己管理型ウォレットや自律的なスマートコントラクトは、開発者が顧客資産の保管・管理などを行うわけではなく、従来の金融仲介業者に固有のリスク(利益相反など)を生まないと指摘する。
規制対象とすべきは、顧客資産を預かったり、取引執行を支配するなど、実質的に仲介機能を果たす主体だと続けた。
このため、ブローカー、ディーラー、取引所など従来型の仲介者に適用されてきた規制を、DeFiやその開発者に拡張して適用するのは不適切だとしている。これを非カストディ型のソフトウェア開発者に適用した場合、事実上DeFiを禁止し、イノベーションを国外流出させることになると警告した。
既存の規制をDeFiプロトコルに適用すると、分散型というDeFi機能の禁止につながるとも指摘する。何らかの形で中央集権的な仲介者としてシステムを再構築しなければ、規制条件を満たすことができなくなるからだ。
SPIは、これはSEC幹部の発言にも沿うものだと指摘。SECのポール・アトキンス委員長も昨年、「分散型金融やその他のオンチェーン・ソフトウェア・システム」が重複的・不要な規制で埋もれることはないようにする方針を説明していたところだ。
アトキンス氏は、エンジニアがソフトウェアコードを開発したという理由だけで証券法の対象となるべきではないこと、SECの規則は、自動実行コードによる仲介者の置き換えを念頭に置いて作成されたものではないことも強調している。
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SPIは投資家保護を維持しつつ米国の競争力を守るため、保管と管理に基づく技術中立的な規制を採用すべきだとして提言も行った。
ユーザーが秘密鍵を管理する自己管理型ウォレット、受動的なインターフェース、自律型スマートコントラクトなどの非保管・非管理型ソフトウェアの公開や提供は、それ自体では、「取引所」などを運営することに該当しないことをガイダンスで明確にすべきとしている。
他者が独立して実行できるコードを作成・公開したという理由だけでは、そのコードの開発者を取引所の「運営者」とみなさないことも明確化すべきと続けた。
さらに、米国の証券取引法規則3b-16の改正を検討すべきだとも訴える。目的は、「取引所」の定義を、「複数の買い手と売り手の注文を結びつけ、取引のやり取りを維持または管理する者」に限定することだ。
その他の通信レイヤーや、ユーザーインターフェースのソフトウェア、市場データを提供する読み取り専用ツールなどについては、ユーザー資産の保管権限を持たず、それに対する裁量権も行使せず、注文のやり取りを管理しない場合、「取引所」定義の対象外とすべきと論じている。
コード開発者の立場に関しては、トルネードキャッシュの事例もある。DeFiとは異なるものの、仮想通貨ミキサー(ミキシングサービス)の共同創設者に対して無認可の送金事業を運営したとして昨年8月に有罪判決が下りた。
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