金融大手ブラックロックによる暗号資産(仮想通貨)ビットコイン( BTC )の現物ETF(上場投資信託)「IBIT」は2025年、年初来の流入額ランキングで6位にランクインした。一方、年初来のリターンはマイナスとなった。
ブルームバーグのETFアナリスト、エリック・バルチュナス氏は20日、資金流入が25位までのETFを示し、この中でIBITが唯一、年初来リターンがマイナス(-9.6%)になっていると指摘した。
バルチュナス氏は、この結果を楽観的に見ており、次のようにコメントしている。
「IBIT」には年初来で約254億ドル(約4兆円)が流入した。これは、ナスダック100指数に投資するインヴェスコ「QQQ」の約218億ドルを上回る数字だ。
ゴールドETFの「GLD」は2025年に約65%と大きな年初来リターンがあったが、資金流入額は約208億ドルと、「IBIT」に遅れをとっている。
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「IBIT」におけるリターンと資金流入の乖離は、投資家が下落局面を利用してETFを通じてポジションを積み上げている可能性を示唆するとの見方もある。バルチュナス氏はビットコインの「HODL」層がいることに言及した。
なお、資金流入で首位だったのはS&P 500指数を追跡するバンガードの「VOO」であり、1,450億ドルを超える純流入と10%台半ばのリターンを示した。
また、S&P500指数に連動するIVV、米国株式に広範に投資するVTI、S&P500の中から「高配当株」を集めたSPYMといったトータルマーケット向けファンドも上位にランクインしている。
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短期的には、オンチェーン分析企業のクリプトクアントが19日、ビットコイン現物ETFへの需要が低下していると指摘したところだ。2025年第4四半期(10~12月期)には約24,000BTCの純売却があり、前年同期の強い買い越しから一転していると述べる。
Farside Investorsによると、米国の11銘柄のビットコインETFからは15日、16日にそれぞれ3.6億ドル、2.8億ドルの純流出があり、その後17日には約4.6億ドルが純流入したが、18日には再び約1.6億ドルの純流出となった。
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