暗号資産(仮想通貨)の指標を提供するCF Benchmarksは18日、ビットコイン( BTC )の今後を資本市場モデルで評価するレポートを発表。基本シナリオで、2035年までに1BTCが142万ドル(約2.2億円)に達するとの強気予測を披露した。
これは、ビットコインが金(ゴールド)市場の約3分の1を占めることを前提にしたものだ。ポートフォリオの2~5%の配分でも、ビットコインは長期的なリスク調整後リターンを向上させるとの見解を示している。
CF Benchmarksは、規制の明確化、機関投資家による採用拡大、スポット(現物)およびデリバティブの流動性向上が、ビットコインを投資対象として扱いやすくしていくと述べた。
基本シナリオでは、2035年までに142万ドル。ビットコインがゴールドの時価総額の約33%を占めるとしており、期待される年率リターンは30.1%となるとの強気見解を示した。
このシナリオを推定する上では、ダブルトレンド成長(現在よりも速いペースでビットコイン普及が進む)の確率を60%、現在のトレンド継続の確率を20%、ゴールドと同等の水準に達することや、ゴールドをアウトパフォームする確率をそれぞれ10%と見積もっている。
その他、弱気シナリオでは、2035年までに63万7,000ドル(約1億円)、ゴールドの時価総額の約16%に達すると予想。一方、強気シナリオでは2035年までに295万ドル(約4.6億円)とした。これは、ビットコインが世界的に主要な価値保存手段としての地位を確立し、ゴールドへの投資フローを吸収した場合を仮定している。
CF Benchmarksは、これらのいずれのシナリオでも、2~5%をビットコインに戦略的配分することでポートフォリオの効率性が大幅に向上すると主張した。
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また、ビットコインは今後、市場参加層の多様化、流動性の向上、デリバティブの発展などによりボラティリティ(価格変動の大きさ)が低下していく可能性があるとしている。
さらに、現時点ではビットコインと株式の相関は0.52と高くなっているが、流動性に起因する相関性が緩和し、投資家層が拡大するにつれて、10年後には0.15にまで低下するとも予想した。
ビットコイン価格の長期的な強気予想では、米ヘッジファンド大手アークインベストのキャシー・ウッドCEOによるものも知られている。
ウッド氏は11月時点で、2030年のビットコイン価格を120万ドル(約1.9億円)としている。以前は150万ドルとしていたが、ステーブルコインが決済・貯蓄手段としてビットコインの役割を一部奪っているとして、30万ドル引き下げた格好だ。
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ビットコインの短期的予想に関しては、現在ばらつきがある。
米資産運用大手フィデリティのジュリアン・ティマー氏は、ビットコインの半減期に基づく4年サイクルを前提にして、2026年は調整の年になる可能性を指摘した。サポートラインは6.5万ドルから7.5万ドルと予測している。
一方で、ビットワイズのマット・ホーガン氏らは4年サイクル論が今後は当てはまらなくなると意見し、2026年には過去最高値を更新する可能性が高いと主張した。
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