暗号資産(仮想通貨)運用企業Bitwise(ビットワイズ)のマット・ホーガン最高投資責任者は15日、仮想通貨投資家にとって特に重要な「2026年の3つの予測」を定例のメモ上で公開した。
同社は別で「2026年の10個の予測」を公開するが、メモの読者に向けて特に重要な予測を3つ先出しすると説明している。
まず1つ目の予測は「ビットコイン( BTC )は4年サイクルとは異なった値動きをして、最高値を更新する」である。
これまでは、ビットコインの価格は大きく見れば3年の上昇と1年の下落という4年サイクルで動いていたが、まずはこのサイクルが崩れると予測。このサイクルでは2026年はビットコイン価格が下落する年になる。以下の画像は、ホーガン氏が今年1月に公開していたデータだ。
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サイクルが崩れる根拠としてホーガン氏が挙げているのは、これまでと状況が異なること。具体的には、半減期、米国の政策金利、レバレッジ投資が主導する価格変動に関する状況が変わると述べている。
まず、採掘報酬が半分になる半減期については定義上、重要度も半減していると指摘。そして、4年サイクルで過去に下落局面にあった2018年と2022年では、米連邦準備理事会(FRB)は利上げを行っており、今月にも利下げが行われたことから2026年は状況が異なるとみられると主張している。
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また、今年10月のトランプショックによる強制清算以来、レバレッジの規模が相対的に縮小していることも指摘。仮想通貨規制の改善によって暴落の可能性が下がっているとも述べた。
他にも、さらに重要なこととして、2024年に米国でビットコイン現物ETFがローンチしており、2026年は機関投資家による資金流入が加速するとも予測。また、トランプ政権の仮想通貨に肯定的な規制も追い風になるとも主張している。
その上で、これらの材料が重なることで、ビットコインは2026年に最高値を更新するとBitwiseは考えているとした。
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2つ目の予測は「ビットコインの価格変動は、米半導体大手エヌビディアの株価よりも小さくなる」だ。ホーガン氏は、ビットコインは価格変動が大きいことは否定しないが、一般的な投資家が好んで購入している他の資産と比較するとどうなのかと疑問を投げかけた。
そして、最も人気のある株式の1つとして例に挙げた企業がエヌビディア。以下のグラフは、ビットコインとエヌビディア株の価格変動率を比較しており、ホーガン氏は2025年は常にビットコインの価格変動の方が小さかったと指摘した。
また、ビットコインは過去10年間で価格変動が着実に小さくなってきているとも指摘。背景には、ETFなどの従来の投資手段ができたことでリスクが下がっていることや投資家層が多様化していることがあるとした。そして、この傾向は2026年も続くとBitwiseは予測していると説明している。
3つ目の予測は、ビットコイン価格と株式相場の相関性が2025年よりも低下すること。株式相場には企業価値や短期的な経済成長に関する懸念があるが、仮想通貨相場は規制の整備や機関採用の増加といった特有の材料があるため、価格が上昇するとも主張している。
もちろん株式相場とともに仮想通貨相場が下落する可能性もあるが、ホーガン氏は、これらの材料が機能することで、ビットコインはポートフォリオ資産としての魅力が増して、2026年には機関投資家から新たな資金が多く流れ込むとの見方を示した。


