トランプ政権が6日に発表した最新の国家安全保障戦略において、仮想通貨とブロックチェーン技術への言及が完全に欠落していることが明らかになった。
同戦略文書では、人工知能(AI)、バイオテクノロジー、量子コンピューティングを米国の技術的優位性を維持する重要分野として強調する一方、デジタル資産については一切触れていない。
この除外は、トランプ大統領が選挙期間中に「仮想通貨大統領」になると公言し、戦略的ビットコイン準備金の創設を約束してきた経緯を考えると意外な展開だ。
トランプは中国が仮想通貨分野で主導権を握ることを阻止し、全てのビットコインマイニングを米国内で行うべきだとも主張してきた。
トランプ政権はこれまで、ステーブルコイン規制に関する「ジーニアス法」と仮想通貨市場構造を明確化する「クラリティ法」の成立を推進し、仮想通貨タスクフォースの設置や中央銀行デジタル通貨(CBDC)の禁止を命じるなど、仮想通貨に友好的な政策を推進してきた。
また、バイデン政権時代の規制政策を撤回し、連邦機関による仮想通貨企業への複数の執行措置を取り下げている。
専門家らは、同文書が仮想通貨に言及しなかったことは、政権が仮想通貨を国家安全保障上の重要技術ではなく、金融資産として位置付けている可能性を示唆していると指摘している。
一方で、文書には「デジタル金融」における米国の優位性維持に関する記述があり、これが間接的に仮想通貨を含む可能性もあるとの見方もある。
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