オンチェーン分析企業Glassnode(グラスノード)は3日、暗号資産(仮想通貨)ビットコイン( BTC )の最新週間レポートを発表した。現物市場は現在、需要の低迷に直面しており、価格は外的ショックやマクロ要因によるボラティリティ(価格変動)の影響を受けやすくなっていると分析している。
現在の市場構造は、ベアマーケットである2022年の1~3月期に類似しており、供給量の25%以上が含み損を抱え、実現損失も増加している状況だとした。
一方で、資本のモメンタム(市場に流入する新しい資金の勢い)は年初に比べるとはるかに弱含んでいるが、依然として深刻な下落を防ぐ数少ない前向きなシグナルの一つとなっているとも述べる。
今後、市場構造を安定させ、年末にかけて下落リスクを軽減するには、9万6,100ドル~10万6,000ドルの範囲内での推移を維持することが重要だと続けた。
なお、記事執筆時現在、ビットコインは92,000ドル付近で推移している。
グラスノードは、資本モメンタムは、実現時価総額の純増減で測ることができると指摘。これは現在、月額86.9億ドル増で、今年7月の月額643億ドル増というピークを大きく下回っているものの、依然として明確なプラス水準だとしている。
米国のビットコイン現物ETF(上場投資信託)については、純流入額が著しく低減しており、3日平均は11月を通してマイナス圏だったと指摘。この資産への新規資本割り当ての冷え込みを反映している状態だ。
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グラスノードは、需要の弱まりはデリバティブ市場にも波及していると述べた。先物建玉は11月下旬にかけて着実に減少を続けた。これにより、前回の上昇トレンド中に蓄積された投機筋の積み増しの大部分が解消されている。
グラスノードは、市場に新たなレバレッジが流入していないため、トレーダーは方向性を明確に示すことをためらい、価格が下落するにつれて保守的なリスクオフ姿勢をとっているようだと分析した。
デリバティブ市場全体のレバレッジは現在、著しく低い水準にあり、投機筋の意欲が明らかに低下していることを示す。また、清算による急激なボラティリティの可能性も低下しているところだ。
また、インプライドボラティリティ(市場が織り込む今後の価格変動)は低下を続けており、トレーダーはこの先の急激な下落の可能性が低く、短期的な市場環境がより穏やかになると見込んでいることを示唆している。
グラスノードは、市場が警戒感の高まりから脱し、より中立的なスタンスへとシフトしていることも示すと述べた。
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