フランクリン・テンプルトン、香港初のトークン化MMF運用開始
グローバル資産運用会社フランクリン・テンプルトンは5日、香港で機関投資家およびプロ投資家向けにトークン化された米ドル建てマネーマーケットファンドを開始したと報じられた。ルクセンブルグ登録のフランクリン・オンチェーン米国政府マネーファンドは、短期米国債を裏付けとし、投資家の持ち分を表すブロックチェーンベースのトークンを発行してデジタルで所有権を記録する。香港金融管理局のフィンテック2030計画下での初の取り組みとなる。
このファンドは高品質の短期米国債への投資を通じて収益を生み出し、資本保全と流動性維持を図りながら高水準の経常収益を投資家に提供することを目的としている。ブロックチェーン上でネイティブに発行されるルクセンブルグ登録のトークン化UCITSマネーマーケットファンドとして、香港の機関投資家とプロ投資家が利用可能な初の商品だ。
フランクリン・テンプルトンは大手銀行HSBCおよび香港の11のライセンス取得済み仮想資産プラットフォームの一つであるOSLグループと協力し、香港金融管理局のサンドボックスであるプロジェクト・アンサンブルを通じてトークン化預金と資金フローをテストしている。
HSBCの幹部は、この仕組みにより従来型システムとブロックチェーンベースシステム間でほぼ即時の決済が可能になると述べた。同社のアジア太平洋地域責任者タリク・アフマド氏は、証券先物委員会の承認を条件に、個人投資家向けトークン化ファンドの提供を目指すと語った。
今回の開始は、香港金融管理局のエディ・ユエ長官が今週発表した「フィンテック2030計画」と時期を同じくしている。同計画は人工知能ツールの統合、トークン化エコシステムの開発、セクターのレジリエンス強化を目的とした40以上の施策をカバーしている。サウスチャイナ・モーニング・ポストによると、ユエ氏は香港金融管理局が銀行間決済用の中央銀行デジタル通貨を後に組み込む可能性のあるトークン化預金決済フレームワークを構築していると話した。
グローバルな資産運用会社は効率性と透明性向上のためトークン化を積極的に活用している。リップルやボストンコンサルティンググループが4月に発表したレポートは、トークン化された現実資産(RWA)の価値が約360億ドルから2033年までに19兆ドルに拡大すると予測した。
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