SBI、米Circle社IPOで5000万ドル出資 ステーブルコインUSDC事業強化へ
SBIホールディングスとSBI新生銀行は9日、先日ニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場した米Circle Internet Groupの株式を総額5000万ドル相当取得したと発表した。Circle社は米ドル建てステーブルコイン「USDC」の発行量610億ドル(約9兆円)で世界最大級の企業だ。
Circle社は規制に準拠したステーブルコインUSDCを発行し、信頼性と透明性を兼ね備えたデジタル金融インフラを構築する。米ドル建てステーブルコインは即時性の高い国際送金手段として利用拡大が見込まれており、SBIグループは特に有望な領域として位置づけている。SBIホールディングスとCircle社は2023年11月に包括的業務提携に向けた基本合意書を締結するなど、日本における規制緩和を見据え、Circle社との提携を積極的に推進してきた。
2025年3月にはSBIホールディングス連結子会社で暗号資産交換業を営むSBI VCトレードが、USDCの一般向け取扱いを国内で初めて開始している。また、日本市場でのUSDC普及促進を目的とした合弁会社「SBI Circle Holdings」の設立に向けた契約も締結済みだ。
SBIホールディングスとSBI新生銀行は今回の出資を契機に、Circle社とのこれまでの取り組みをさらに加速させる方針を示している。日本の既存金融エコシステムにUSDCを広く統合するためのプラットフォーム構築を、グループ一丸となって目指すとしている。
関連: IPO発表のステーブルコイン大手Circle |USDC運営会社の戦略を徹底解説
Circle社は5日にニューヨーク証券取引所に 上場 した。公開価格31ドルに対し、始値は69ドルを記録し、83ドルの終値で初日取引を終了している。フィンテック企業としては2021年にナスダック市場に上場したCoinbase以来の大型IPOとなった。
多数の機関投資家が割当に応募する中、SBIグループは上位レベルの株式数を取得している。投資額の内訳はSBIホールディングスとSBI新生銀行がそれぞれ2500万ドルずつと均等に分担した形だ。
関連: ステーブルコイン「USDC」の買い方と特徴|SBI VCトレードでの購入方法を解説
米マーキュリティー・フィンテック、約1200億円のビットコイン運用計画発表 ラッセル2000指数昇格も
ラッセル2000入りも米デジタルフィンテック企業MercurityFintechHolding(ナスダック上場)は11日、8億ドル規模の資金調達によりビットコイン(BTC)の長期保有戦略を実施すると発...
イーサリアムが数兆ドルに対応するためのセキュリティ強化分野6つ、財団が発表
イーサリアム財団が、仮想通貨イーサリアムのネットワークが数兆ドル規模を安全に扱えるようにするためのセキュリティ計画を発表した。6つの優先分野を挙げている。...
CPI通過もビットコイン高値更新はならず、OTC在庫減少で供給逼迫続くか
ビットコインは過去最高値に迫る108,600ドルで推移している。米5月CPIの下振れでFRB利下げ観測が強まりリスク資産に追い風に。取引所準備金は250万BTC、OTC在庫は134,252BTCと過去...