ビットコイン価格より割高? メタプラネット株に5倍のプレミアムがつく理由を専門家が解説
暗号資産(仮想通貨)市場をリサーチする10x Researchは27日、ビットコイン( BTC )財務戦略で知られる日本企業メタプラネットの株式について分析を発表した。
メタプラネットは、米国のストラテジー社をモデルとして調達資金をビットコインへ投入する戦略を取っている。同社の株式は、ビットコインへのレバレッジの効いた間接投資手段として投資家からの注目を集めているところだ。
10x Researchは、メタプラネットの株式は、市場における現物ビットコインの価格が109,000ドルであるところ、約5倍の596,154ドルであるかのように取引されていると述べた。
投資家は447%(5倍以上)のプレミアムを支払っていると指摘する。
メタプラネットは19日、151億円でビットコインを追加購入したところだ。総取得額は約1,054億円、保有数は7,800 BTCとなった。同社は2026年までに2.1万 BTCを保有する計画を加速させている。
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メタプラネット株価のプレミアムについては、識者から様々な意見が上がっている。
ストラテジー社のビットコイン財務戦略についての情報を提供するウェブサイトMicrostrategistのマーティ・ケンダル氏は16日、メタプラネット株価の現時点(19日の買い増し前)での推定適正価格は743円だと意見した。
なお、その後19日のビットコイン買い増しを受けて、同社の株価は記事執筆時で約1,100円まで上昇しているところだ。
ケンダル氏は、メタプラネットは、投資家からビットコインを他社より早く蓄積できると評価されており、そのため株価にプレミアム(割高)が付いている状況だと分析。
ただし、市場での株式発行による資金調達は株価を下げ、株価対純資産価値(mNAV)を下げる要因となると指摘した。
一方で、株式の希薄化を通じて資金を調達し、ビットコインを追加購入することで、長期的には1株当たりのビットコイン価値を高める「価値増加型希薄化」が行われていると続けた。このバランスが重要だとしている。
なお、株価対純資産価値(mNAV)とは企業の株価がその純資産価値に対してどの程度のプレミアムまたはディスカウントで取引されているかを示す指標だ。通常、これが1を超えている場合、株価はプレミアム(割高)であり、1未満の場合は、ディスカウント(割引)されているとみられる。
ケンダル氏は、メタプラネットの1株当たりBTC価値と株価を両対数スケールでグラフ化。こうして同社のファンダメンタルズと株価の推移を視覚的に把握すると、16日時点で推定される適正株価は743円であると論じていた。
過去一年でメタプラネットの株価が大きく上昇した要因としては、同社のビットコイン戦略への信念の強さなどを挙げた。さらに、日本では、株式に比べてビットコインなど仮想通貨へ高額な課税があり、現物ビットコインへの投資ハードルになっていることも指摘している。
その他に、Blockstream社のアダム・バック創設者は4月末、今後ビットコインが主流となる社会を予想。その上で、ビットコイン財務戦略を採用する企業は「将来のビットコインの価値と今日の法定通貨の価値との間の乖離を利用した裁定取引を行っている」と表現していた。
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また、仮想通貨投資家・ユーチューバーのジョー・タカヤマ氏は27日、日本ではビットコイン現物ETF(上場投資信託)が未承認であるために、「BTCを保有する企業の株が擬似ETFとして買われている」とX投稿で分析した。
「規制の歪みによって存在している一時的な現象と考えることもできる」と意見している。
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