アルトマン氏率いるOpenAI、iPhoneデザイナーのアイブ氏と提携 WLD価格25%高騰
生成AI(人工知能)ChatGPTで知られるOpenAIは21日、スタートアップ企業IOを全額株式交換による取引により、65億ドル(約9,360億円)で買収すると発表した。
IOは、iPhoneなどのApple製品のデザイナーとして知られるジョナサン・アイブ氏率いるLoveFromとOpenAIが昨年に共同設立していたジョイントベンチャー企業である。
OpenAIは昨年末に、両社間の合意に基づきIOの株式23%を取得していたところだが、今回完全に買収することになる。
買収により、アイブ氏と約55名のエンジニアおよびリサーチャーがOpenAIに加わることになった。クリエイティブとデザインの分野を担当し、AIと消費者をつなぐ新たなハードウェアを開発する予定だ。
具体的にどのようなデバイスになるのかは、来年に発表される見込みである。
OpenAIのサム・アルトマンCEOは、次のようにコメントした。
また、「テクノロジーを使うことの意味は、根本的に変化し得る」と述べ、「30年前にAppleコンピュータを初めて使った時のような感動を届けたい」と続けた。新製品への感心を引き寄せる発言をした形だ。
OpenAIは4月、過去最大規模となる400億ドル(約6兆円)の資金調達を実施していた。ソフトバンクが300億ドルを出資して主導している。OpenAIはこの資金をAIの研究強化およびコンピューティングインフラの拡大に使用する予定だ。
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AI関連のハードウェアについては、メタ社などが写真や動画の撮影や通話が可能なスマートグラスを発売しているが、普及は進んでいない。
また、アルトマン氏はChatGPTによるAIアシスタント備えたウェアラブルデバイス「AIピン」を開発していたHumane社に投資していた。しかしその後、AIピンは過熱状態になるなどの苦情が多く寄せられサービス終了している。
今後、OpenAIが開発するハードウェアがどのようなものになるか注目されるところだ。
アルトマン氏はOpenAIの他、暗号資産(仮想通貨)プロジェクトも進めている。生体認証による人間証明プラットフォームWorld Network(旧ワールドコイン)だ。今回の動きを受けてWLDトークンは高騰し前日比26%超の上昇率を記録した。
さらに、21日には、大手VCのアンドリーセン・ホロウィッツ(a16z)らから200億円の資金調達を行った。
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