大手銀行BNYメロンは13日、米国のステーブルコイン発行者が準備金を保有するために設計されたマネー・マーケット・ファンド(MMF)を立ち上げた。
この「BNYドレイファス・ステーブルコイン準備金ファンド(BSRXX)」は、規制対象のMMFを適格準備金として提供することで、ステーブルコイン発行者を支援するものだ。
米国財務省証券、短期国債、米国債や現金を担保とする翌日物レポ取引、現金に投資することにより、投資目標を追求。1ドルの安定した株価の維持を目指す。現在、このファンドが投資する米国債の満期は93日以内となっている。
米国では7月に、ステーブルコインの規制枠組みを明確化する「ジーニアス法」が成立。ステーブルコイン発行者が準備金として保有できる資産を規定している。
ジーニアス法の発効後、米国のステーブルコイン発行者は「BNYドレイファス・ステーブルコイン準備金ファンド」もステーブルコイン準備金の保有に利用できるようになる。
関連: ステーブルコイン覇権争い激化テザーが過去最高益、USDCは機関投資家採用加速
BNYメロンは、ステーブルコイン市場は、ジーニアス法の後押しや普及拡大により、今後3~5年で大幅な成長が予想されていると述べた。2030年までに1.5兆ドル(約230兆円)に達する可能性があるとも続けている。
BNYインベストメンツの責任者であるステファニー・ピアース氏は、次のようにコメントした。
ファンドの立ち上げの一環として、BSRXXは、アンカレッジ・デジタルから初期投資を確保している。アンカレッジは、米国で初めて連邦政府認可を受けた仮想通貨銀行だ。
アンカレッジのネイサン・マッコーリー共同創業者兼CEOは、BNYメロンの動きは「デジタル金融の次世代を特徴づける信頼、透明性、規制の厳格さをつなぐために不可欠だ」と述べている。
BNYメロンはブロックチェーン・暗号資産(仮想通貨)関連の取り組みに積極的だ。
最近では、RWA(現実資産)トークン化企業セキュリタイズと、AAA格付けの担保付ローン債務へ特化したトークン化ファンド「Securitize Tokenized AAA CLO Fund(STAC)」で協力している。
BNYメロンは、このファンドの原資産のカストディアン(保管者)を務める。その他、7月にはゴールドマン・サックスと共同で、ブロックチェーン技術によりマネー・マーケット・ファンド(MMF)をトークン化する取り組みを開始した。
関連: ゴールドマン・サックスとBNYメロン、ファンドをトークン化へデジタル資産の革新を主導